その18 ページ19
〜美門side〜
「アーヤ。ゆっくりでいいから、話して?」
アーヤはコクリと頷く。
「私ね、中3の冬ごろ国語の成績がガクンと落ちたの。翼も知ってるでしょ?」
ああ、それで俺に相談してきたんだよね。
「それでお母さんにすごく怒られて。」
アーヤの顔が歪む。
きっと、その時のことを思い出したのだろう。
「自分の子供じゃないってまで言われたの。」
アーヤはスカートをギュッと握りしめてうつむく。
「私だっていつも以上に頑張ってたし、お母さんが認めてくれるような成績を取れるようにがんばってた!なのに…なのに、私を全否定するような言い方された……!!」
「・・・・」
「もう嫌だったの!勉強も、ママの自己満足のために頑張るのも、人の目ばっか気にしてる私自身も!全部嫌だった……!」
俺は黙ってアーヤの背中を撫でてあげる事しかできなかった。
そのせいか少し落ち着いたようで、力が入っていた肩もゆっくり下がっていく。
「何度も家出しようと思った。でも、私には行くあてがないし、そんな事する勇気もない。だから、決めたの。
お兄ちゃんとまではいかなくても、せめてママの満足がいく順位を取ろう。ママが愛してくれるような子になろうって。」
「アーヤ…」
「だから、KZも抜けた。勉強に費やすために。理想の自分を手に入れるまで。」
「アーヤの理想ってどんなの?」
「…ママが自慢の娘だって言ってくれるような子。」
「アーヤはお母さんのことばっかり気にしてるけど、そんなにお母さんのこと気にしなくてもいいんじゃない?
確かにお母さんに気に入られたいって気持ちもよく分かる。でも、人生は一回しかないんだよ?お母さんのことばっかり考えないで、もっと自分のことを考えて。」
「そう…だよね。違う人にも同じこと言われた。」
そう言って悲しそうに微笑んだ。
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エリジャ(プロフ) - Liumさん» はじめまして。えっとLiumさんの当時の名前、なんとなく察しました。ファンだったのでコメントしてもらえて嬉しいです。更新頑張ります。コメントありがとうございました。 (2017年6月8日 16時) (レス) id: 3c22eecada (このIDを非表示/違反報告)
Lium(プロフ) - はじめまして、Liumと言います。昔ここでkzの二次小説を書いていました。当時の名前は公表できませんが?私の作品を掲載してくださり、ありがとうございました。お話、とっても面白いです。これからも頑張ってください。 (2017年6月6日 16時) (レス) id: 38bf6f40ac (このIDを非表示/違反報告)
いちご - エリジャもファイト! (2017年5月15日 13時) (レス) id: 8bd1bf5214 (このIDを非表示/違反報告)
エリジャ(プロフ) - いちごさん» ああ、確かにそうかも……まあどっちもどっち、だね。笑 頑張れ、いちご!! (2017年5月15日 13時) (レス) id: 3c22eecada (このIDを非表示/違反報告)
いちご - エリジャさん» でも、期末の時に範囲が半端ないから・・・。 (2017年5月15日 13時) (レス) id: 8bd1bf5214 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:エリジャ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/erijya/
作成日時:2016年5月26日 20時