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その17 ページ18

〜読者side〜



少女たちは神妙な顔つきで、定位置に座る。


その空気は言葉に表せないほど重々しかった。



「……何の話をするの?」



彩は俯いて言った。


それに、上杉は眼鏡をきらりと光らせて彩を見る。



「それは立花が一番わかってるだろ。」



沈黙が続く。



「あのさ、アーヤが退団するって言ったのは、俺たちのせいか?」


「…ちがうよ。」


「前日、目立つようなことをしたから?」


「ちがう。」


「アーヤが嫌がってたのに無理やr」


「だから違うってばっ!!」



彩は書斎が震えるほど叫ぶ。


流石に少年達も驚く。



「みんなのせいじゃないの!全部私が悪いの!だから放っておいてよ!!」



そういうなり、部屋を飛び出そうとする。



「おいっ、待てよっ!」



若武が彩の腕をつかむ。



「アーヤを放っておけるわけねーだろ!?一人で抱え込むな。」


「そうだよ!僕達、仲間でしょ?」


「たまには、人を頼ってもいいんだよ?」


「アーヤはなんでも一人で抱え込み過ぎ。」


「俺たち、そんなに頼りないか?」


「もっと甘えてもいいんだよ?」



少年らは口々に言う。



「私……私は………」



そういうなり、少女はうつむいて動かなくなった。



「ここは、黒木の出番か?」



少年たちは頷く。


黒木は彩の横に座ろうとしたが、すぐに美門の方を向いた。



「…美門いいのか?お前の仕事取っちゃうけど。」


「こんな状態のアーヤを安心させれるのは黒木しかいないさ。俺、アーヤを安心させられる自信ない。」


「…じゃ、ほかの人は外で待ってて。アーヤとはここで話す。」



黒木は彩を見つめていたが、しばらくすると意を決したように顔を上げ、自分も出ていく。


そして、ドアの前に立つと、目を瞬かせる美門の方を振り返って言った。



「美門、やっぱりお前に任せる。アーヤを頼むよ。」



美門は戸惑いつつも複雑な想いで頷いた。

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エリジャ(プロフ) - Liumさん» はじめまして。えっとLiumさんの当時の名前、なんとなく察しました。ファンだったのでコメントしてもらえて嬉しいです。更新頑張ります。コメントありがとうございました。 (2017年6月8日 16時) (レス) id: 3c22eecada (このIDを非表示/違反報告)
Lium(プロフ) - はじめまして、Liumと言います。昔ここでkzの二次小説を書いていました。当時の名前は公表できませんが?私の作品を掲載してくださり、ありがとうございました。お話、とっても面白いです。これからも頑張ってください。 (2017年6月6日 16時) (レス) id: 38bf6f40ac (このIDを非表示/違反報告)
いちご - エリジャもファイト! (2017年5月15日 13時) (レス) id: 8bd1bf5214 (このIDを非表示/違反報告)
エリジャ(プロフ) - いちごさん» ああ、確かにそうかも……まあどっちもどっち、だね。笑 頑張れ、いちご!! (2017年5月15日 13時) (レス) id: 3c22eecada (このIDを非表示/違反報告)
いちご - エリジャさん» でも、期末の時に範囲が半端ないから・・・。 (2017年5月15日 13時) (レス) id: 8bd1bf5214 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:エリジャ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/erijya/  
作成日時:2016年5月26日 20時

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