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#33 ページ36

黒木side

「ちっくしょう!!!やられっぱなしでたまるかっ!リベンジだ!!リベンジ!!!」


若武がテーブルをドンッと叩き、興奮しながらいう。


「落ち着けよ、若武。」


口ではそういうが、内心、俺もかなり苛立っている。


病院を出たあと、すぐさま涼川怜央のことを調べたが、全くもって何も出てこなかった。


分かっているのは、少なくとも、3年以上前から俺達は見張られていた、ということ。


いや、アーヤはきっと、もっとずっと前から見張られているのだろう。


そう思うと、そんなことにも気づかずに、探偵を名乗っていた自分が許せない。


探偵ごっこ(・・・)と言われても、本当、そのとおりだったと思うくらいに。


「黒木、なにか情報はないのか?」


若武の問いに、俺は首を振って答える。


「分かってるのは、少なくとも3年以上前から、俺達は見張られていたってこと。
それ以外、一切出てこない。」


だが。


「逆にいうと、何かある、んだろ?
一切出てこないのは、何かを隠しているからだ。
そうじゃなかったら、何も出てこないなんて、不自然すぎるからな。」



そのとおり。



流石は上杉。


俺の言おうとしたことを、ピシャリと言い当てた。


「俺もそう思う。昨日さ、星宮学園の内部情報にハックして、
そこから得た情報をもとに、涼川の過去を調べたんだけど、
中学に入る前の記録が変だった。」



変?



「その中学の近くの小学校に通ってたって、記録にはあるんだけどさ、
確かに、名前はあるんだけど、写真や電話番号、住所。名前以外、何も残ってなかったんだ。
俺さ、そこの小学校に通ってたやつ、涼川と同い年の知り合いがいて、聞いてみたんだけど、
涼川怜央なんて、いなかったってさ。」


普通なら驚くことなんだろう。


でも、全員、そこまで驚いてはいなかった。


むしろ、すんなり理解している。


「じゃ、涼川怜央は偽名だな。
偽名を使う前、アーヤと接点があったって考えるのが妥当だろ。」


「ああ。あの執着は異常だしな。」



アーヤに避けられてるのに取り戻そうとしてる俺達も、人のこと言えないけどね。



内心、ツッコミを入れる。


「だったら、アーヤも覚えてるんじゃないかな?
だって、あんなに執着するくらいだもん。記憶のカケラくらいあると思う。」


「・・・!」


俺達が話を進めている間、美門は口をつぐんだままだったが、


小塚の言葉に反応した。


そして。

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りぃな(プロフ) - 桜さん» ありがとうございます!!がんばりますね!! (2019年8月31日 13時) (レス) id: 8b4bde61c2 (このIDを非表示/違反報告)
- すごく面白いです!更新頑張ってください! (2019年8月31日 6時) (レス) id: 719e5a0d68 (このIDを非表示/違反報告)
りぃな(プロフ) - hiho0227さん» ありがとうございます!!がんばります!! (2019年8月27日 18時) (レス) id: 8b4bde61c2 (このIDを非表示/違反報告)
hiho0227 - とっても面白いです!更新頑張ってください! (2019年8月27日 17時) (レス) id: 8b1270c1d0 (このIDを非表示/違反報告)
りぃな(プロフ) - ひなさん» ありがとうございます!楽しみにしてくれる人がいて嬉しいです! (2019年8月26日 10時) (レス) id: 8b4bde61c2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りぃな | 作成日時:2019年8月16日 23時

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