過去と、秘密と、闇と、光と。

＃２６ ページ29

彩ｓｉｄｅ

目が覚めると、私は自室のベッドの上にいた。


メイドさんたちによれば、学園で倒れて、そのまま運ばれてきたという。


幸い、昨日は誰とも会う約束をしていなかった。


「彩様、本日の体育祭はお休みの連絡を入れておきましたので、ゆっくりしていてください。」


『ありがとう。』


とはいったものの、昨日のようなダルさも目眩もなく、熱も下がっている。



・・・暇だ。



体を起こして、書類の処理をしようとすると、メイドさんたちに止められ、


紅茶くらい自分で淹れたくても、止められる。



ほんと、たまに度が過ぎるくらい過保護なんだよなぁ。
それくらい大事に想ってくれてるのは嬉しいんだけど。



ベッドに横たわり、倒れていたときに見ていた夢を思い出す。



なんだか、、、とっても懐かしいような、寂しい、悲しい夢だった気がする。
お父様とお母さまが出てきて、、、、あと、小さな男の子も。



毎日のように見るこの夢。


最初は、お父様もお母様も顔がはっきりしなくて、分からなかったのに、


次第に、そのモヤが消えてきて、鮮明になってきた。


今までは、その男の子の性別もはっきりしなくて、声も聞き取りづらかった。


毎日、徐々に鮮明になっていく。


まるで、何か、運命のようなものに、近づいていくかのように。

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