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早川side
目の前に座る「花宮 彩」は、どんな人物だろうかと疑っていたが、
正直、目の前にいる彼女が、正体不明の「花宮 彩」だとは。
高校生だと聞いていたが、高校生とは思えないほど、礼儀正しく、落ち着いている。
何より、彼女が纏う雰囲気は、気品溢れるものだった。
本当に、こんな子が偽名を使うような子なのか?
きっと長谷川さんも同じことを思っているに違いない。
そう思っていると、彼女が一息つき、話し始めた。
『・・・偽名を使い、騙すようなことをしてしまい、申し訳ありません。』
「では、花宮 彩ではないことを認めるんだな?」
『はい。』
素直に答える彼女は、どういうつもりなのか。
それを解き明かそうと、鋭い目つきで彼女を見る_____が。
俺よりも先に、彼女が俺よりも一層鋭い目で、俺達を見極めるようとしているように見ていた。
数十秒の沈黙、やがて、彼女が決心したように口を開いた。
『今から言うことは、ここだけに留めてください。
口外するのであれば、お話することはできません。』
彼女の言葉を聞き、長谷川さんは微笑む。
「もちろんだ。」
彼女は安心したのもつかの間、長谷川さんから俺に目を移し、問いかけてくる。
「私も、他人の秘密を口外するような、不誠実なことはしない。」
数秒の沈黙、その間、彼女はずっとこちらを見続けて、いや、見極めていた。
そして。
『分かりました。おふたりとも信用できるようなので。』
彼女が柔らかく微笑むと、さっきまでの緊張感がすっと、まるでなかったかのように消えた。
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りぃな(プロフ) - 桜さん» ありがとうございます!!がんばりますね!! (2019年8月31日 13時) (レス) id: 8b4bde61c2 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - すごく面白いです!更新頑張ってください! (2019年8月31日 6時) (レス) id: 719e5a0d68 (このIDを非表示/違反報告)
りぃな(プロフ) - hiho0227さん» ありがとうございます!!がんばります!! (2019年8月27日 18時) (レス) id: 8b4bde61c2 (このIDを非表示/違反報告)
hiho0227 - とっても面白いです!更新頑張ってください! (2019年8月27日 17時) (レス) id: 8b1270c1d0 (このIDを非表示/違反報告)
りぃな(プロフ) - ひなさん» ありがとうございます!楽しみにしてくれる人がいて嬉しいです! (2019年8月26日 10時) (レス) id: 8b4bde61c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りぃな | 作成日時:2019年8月16日 23時