その3 ページ3
立花side
「えっと、私はこの前授業で書いた作文を
コンクールに出してもらえることになりました!
一応、一時審査は通過はしたそうです。」
「おめでとう、アーヤ。」
「よかったじゃん!」
「最終選考まで残るといいね。」
私はおずおずと席に着き、密かに頬を緩める。
こうやって大人数に褒めてもらうことってあんまりなかったからなぁ。
「俺、発表してもいい?」
忍が凛とした声で尋ねた。
若武が大きな声で応えてから口を開いた。
「俺達の中で4月は一番気配が散りやすい時期なんだ。」
気配が散りやすい時期?そんなのあるんだ。
「4月は人々に色々な感情を沸かせるだろ?
別れることになって寂しいとか、学年があがって浮わついたり…。」
たしかにそうかも、実際私も少し浮わついてたし。
「だから色々な気配を察知するのが難しくなるんだ。」
___
_____
「やっべ、もうこんな時間。」
若武が腕時計を見てそう言った。
外は赤く染まりはじめていて、夕日がキレイに見えた。
「あれ、それおニューのやつ?」
「そう!学年進級祝いに買ってくれたんだ!」
目立つ赤色の高そうな腕時計、若武らしいや。
ついクスッと笑ってしまった。
「そろそろ解散する?」
「よし!これにてKZ会議を終了しよう!」
ーーーーーーーーーーーーーーー
私の横を歩く忍を見て疑問に思う。
「忍の家って此方方面だっけ?」
「いや、違うよ。」
私達の間に気まずい空気が流れる。
じゃあなんでと聞こうとするが忍の顔を見て息を止めてしまう。
「クラスが離れて、少し寂しくなってさ。家まで送るから話さない?」
意外だった……忍がそんな風に思っていたなんて。
「うんっ、いいよ!」
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れいあ(プロフ) - ちゃんと物語になってますよ!会話のシーン好きです! (2020年6月14日 20時) (レス) id: 8b9586cffa (このIDを非表示/違反報告)
クロノ@気まぐれ更新(プロフ) - れいあさん» ありがとうございます!最近KZを投稿してなかったのできちんとキャラの個性が出ているか、台本書きのようにしなくても伝わるようにしたかったのでそう言ってもらえて嬉しいです...!! (2020年6月14日 20時) (レス) id: 577cae7504 (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - 作品名に惹かれて読みました。キャラクターの性格をよく掴んでますね!どんな話になっていくのか楽しみです! (2020年6月14日 20時) (レス) id: 8b9586cffa (このIDを非表示/違反報告)
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