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「ほんとに、気持ち悪くないの・・・?」
「うん。大丈夫。」
「本当に?無理してない?」
「してない。」
「うっ・・・ぅぅ〜〜〜・・・((ボロボロ」
「おい、なんで泣くんだよ・・・。」
「だ、だって・・・ぐす・・・嬉しくて・・・・・・もう、我慢しなくていいの?」
「あぁ。」
「不安にならなくていいの?」
「させないって約束する。」
「〜〜〜〜っ・・・好き。」
「うん。」
「大好き。」
「俺も。」
「・・・・・・かい。」
「ん?」
耳まで真っ赤にしてうつむいた優羽が、ばっ、と顔を上げて水斗を見る。
その顔は、嬉しさと恥ずかしさが混じっていて、水斗もつられて赤くなってしまう。
「もう一回・・・ぎゅって、して・・・くれる?」
恐る恐る聞くその様子に、水斗はどうしようもなく胸を締め付けられた。
「・・・おいで。」
水斗は優羽の肩から手を離し、大きく腕を広げた。
そんな水斗を見て、優羽は何故かぽかんとしている。
「・・・おい、恥ずかしいんだから早く来い。閉じるぞ。」
「・・・っ!」
その水斗の言葉にはじかれたように、優羽は水斗の胸へと飛び込んだ。
「うぉっ!?」
いきなりの衝撃に、水斗は優羽を抱きしめたまま後ろへ倒れこんだ。
「っ、ぶね・・・優羽、お前な・・・。」
「へへ・・・だって、嬉しくて。何回も言うけど、やっぱり好きだなぁって思っ、ん!?」
「・・・・・・。」
「え・・・い、ま・・・へ?」
自分の言葉を遮るように唇に感じたぬくもりに、優羽の思考が停止する。
「・・・やっぱ好きだって思って。」
照れて顔をそらす水斗の姿に、優羽はいつかの自分たちを重ねた。
たくさん悩んで、すれ違って、重なって。
全部が重なるにはまだまだ時間がかかるけど。
君となら。
お前となら。
どれだけ時間がかかっても、全部重なってしまっても、その先もずっと、共にあれるような気がするんだ。
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作者名:紅月 | 作成日時:2019年6月9日 10時