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「お〜!でけぇ!」
準備を終え優羽が向かったのは、最近新しくできたショッピングモールだ。
四階建ての新しいビルで、中には店舗が約二〇〇軒入っているという。
ビルの外壁には、中でも大きなブランドの看板が建て付けられており、目を引くような造りになっている。
「とりあえず一周してから、水斗にプレゼントでも買って帰ろ。」
子供のようにはしゃぐ心をぐっと抑え込んで、建物内へと入っていく。
少しひんやりとした空気が、優羽の心を少しずつ静めていった。
「うわぁ・・・もうこんな時間だ。」
建物内を一周し終えた優羽は、腕時計を見て驚いた。
一周するのに約一時間半の時間を費やしていたのだ。
「おなかすいたな。確か一階にレストラン街あったよな・・・行ってみよ。」
エスカレーターを使い一階まで行くと、ちょうど降りた場所がレストラン街のど真ん中だった。
目移りしてしまうほどたくさんの店が並んでいる。
「どこにしようかな〜・・・・・・ん?」
カフェやファストフード店が並ぶ一角を歩いていると、ガラス張りになって店内が見えるカフェの中に、見慣れた後姿があった。
「(あれ・・・水斗、だよな。・・・・・・隣にいる男、誰?)」
よく見ると、水斗の横に茶髪の男がいて、その男と水斗が楽しそうに会話をしていた。
「(まぁ別に、水斗だって友達と遊びたいだろうし構わないけど。僕はここじゃないとこに・・・・・・・・・え?)」
別の店に行こうと視線をそらそうとした瞬間、優羽の目に信じられない光景が映った。
「(いま・・・・・・あの男のドリンク、飲んだよな。ストロー、そのままで。)」
潔癖症で、回し飲みができないはずの水斗が、茶髪の男が飲んでいたドリンクを一口飲んだのだ。
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作者名:紅月 | 作成日時:2019年6月9日 10時