第三十八話「一昨日来やがれ」 ページ40
中本 side
「この方達がお前に話したいとの事だ。」
「こんばんわ、貴女が中本Aさんだね。」
そこで私を待っていたのは、五人程の世で言うイケメン達。テレビで見た事のある俳優や、他の大企業の御曹司等、高スペックの猛者達だ。何故こんな奴らが私に用が有るのだろうか。
軽く私は会釈し、営業スマイルで挨拶する。
「こんばんわ。」
「噂通り凄い綺麗な人だ。」
「君、彼氏居るの?」
「…。」
あぁああああめんどくせええぇぇ。
きっとこのイケメン達は親や上司に「中本コーポレーションの娘を貰って来い。」と言われたのだろう。そういう考えが見え見えである。顔に書いてあると言っても過言では無いぞ。それにお父様がここに私を呼んだのはあれだ。このイケメン達と結ばれたら会社にメリットがある。win-winの関係が築かれる。嫌だー。お父様の顔を見ると、とても申し訳なさそうな顔で下を向いていた。
「…申し訳ございませんが、私は男性とその様な関係を結ぼうなどとは考えておらず、不躾ではありますが…」
「いやあ、良いじゃん。Aちゃんってまだ男を知らないからそんな事言うんじゃないの?」
馬鹿はそう言い私の腕を取り、腰を撫でる。それをニヤニヤと見ている他の奴ら。
私はそいつの足を精一杯ヒールで踏み、無理矢理離れる。その光景に驚く周囲は私の顔を見て、如何にも文句がありそうな表情を浮かべる。
「ごめんなさい、私は男なんて分からないからどうエスコートされれば良いのか分からなくて。」
「そっ…か〜。良いよ、エスコートなんて、僕達が優しく教えるし。」
「あら?どうやら都合のいい頭をしているようね。
下賎な考えが見え見えな貴方達を私は男として見れないと言っているのよ。下半身男はさっさと去りなさいよ、目障り。」
私は直ぐにその場を早足で去る。お父様は私の名を呼んで、小走りで追いかけてくる。
「え?何あれ…あの人。」
「か、かっけ〜。」
条野 side
「おや、貴方は。」
「…『猟犬』の条野殿。」
心拍がバクバクと激しく音を立てる中年男性が一人。声や匂いでその男性はAさんのお父様である事が分かる。
「大丈夫ですか?血相変えて。」
「ああ、お見苦しい所を。」
見えては居ないのだが、まあ、軽いジョークとして受け取ろう。社長の周囲にはAさんの音が無い。きっと彼女を探しているのだろう。何かあったに違いない。
「…条野殿、少しお話しても?」
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肉塊(プロフ) - 冬斗さん» わーいありがとうございます〜もっと頭悪い小説にするので何卒〜 (2022年7月28日 10時) (レス) id: 9c26b5fd8b (このIDを非表示/違反報告)
冬斗(プロフ) - そう言っていただいて嬉しいです…!作品いつも楽しく読ませて貰ってます! (2022年7月28日 10時) (レス) id: 2506e918c7 (このIDを非表示/違反報告)
肉塊(プロフ) - 冬斗さん» いや草。誤字の指摘、ありがとうございます。あと自信を持って下さい。何回も謝る様な事貴方様言ってませんよ( 'ч' ) (2022年7月28日 10時) (レス) id: 9c26b5fd8b (このIDを非表示/違反報告)
冬斗(プロフ) - なってしまいます。うぅ…文章が長くなってしまいすいません…失礼しました… (2022年7月28日 9時) (レス) id: 2506e918c7 (このIDを非表示/違反報告)
冬斗(プロフ) - すいません…自分なんかが初コメでおこがましいと思いますが、第四十七話の「再会」の最後の方で『あの時は彼が』の後が『鮭の飲み過ぎ』になっていました。恐らく『酒の飲み過ぎ』だと思います。このままでは夢主の中で、条野さんがしゃけを飲んで酔う人に (2022年7月28日 9時) (レス) @page49 id: 2506e918c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:肉塊 | 作成日時:2021年9月24日 3時