第十六話「一難去ってまた一難」 ページ17
日は変わり、私の肩の傷が治り今までの何の変哲も無い日常をまた繰り返そうといつも通りの喫茶店で一人珈琲を飲んでいた時。
「成程、今回の小説も面白かった。主人公がトラブルメーカーで退屈しなかったわ。真逆事件の後また面白可笑しい事件に巻き込まれるなんて。まぁ、これは物語を進める上でお約束なのだけれど。」
「ほぉ、もうその作者の小説読んだのかい?」
「ええ、流石私が惚れ込んだ作者だわ。内容が素晴らしい!何時も読んでいるシリーズと違って、今回は少し変わった二人の男女の非日常を描いたお話!」
どうやら神様は私が今迄の生活を繰り返すことを許していないらしく。小説を閉じた途端、事件は起きた。
チリン、と入口の鈴がなり、オーナーは入口に目線を向けた瞬間彼は青ざめ、静かに両手を上げた。何事だろうか、と私も入口へ目線を移すと其処にはなんと私に銃を向けてゾロゾロと近寄って来る武装した兵隊が居たのである。
「…中本Aだな?」
「……ゑ。」
「お前には、人質になって貰う。」
「やめてぇええ私最近やっと怪我が治っていつも通りの女子大生ライフを満喫しようとしていたの!満喫したいと思っていただけなの!!!おねがいぃ解放してえぇ…。」
「何だ此奴。資料に載っている情報と違うじゃねぇか。こんなに騒がしい女って書いてなかったぞ。むしろ無口な性格って。」
今度は横浜ランドマークタワー。標高296米のビルの屋上でとんでもない風が吹き荒れる中、私中本Aはまたもや生死が分かれる分岐点に立っている。
いつでも強風でバランスを崩して落ちそうなギリギリに私は立たされている。死にそう。
そして足首を硬い縄で縛られており、重装備をした兵士が私を幾つもの重たそうな銃を向けている。
地上には民間の警察や救急が固まっており、何時私が落ちていい様にトランポリンが用意されいる。
「いいか良く聞けェ!!!この女は中本コーポレーションの社長の娘だあ!!!此奴を汚ねぇ肉片にさせたくなったら今から五時間以内に三十億円を持って来い!!!」
と、拡声器で地上にそう言い散らかす犯罪集団。嗚呼、お父様。どうか私の事なぞ気にせずお金を払わずに仕事を…。と、何時もの大人しい私ならばそういうだろうが。
「お願いちゃっちゃと金払って解放して。」
と、私は正直にお父様に願うのであった。
「貴女どんだけトラブルメーカーなんです?」
後ろから、聞いた事のある声が聞こえた。
66人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
肉塊(プロフ) - 冬斗さん» わーいありがとうございます〜もっと頭悪い小説にするので何卒〜 (2022年7月28日 10時) (レス) id: 9c26b5fd8b (このIDを非表示/違反報告)
冬斗(プロフ) - そう言っていただいて嬉しいです…!作品いつも楽しく読ませて貰ってます! (2022年7月28日 10時) (レス) id: 2506e918c7 (このIDを非表示/違反報告)
肉塊(プロフ) - 冬斗さん» いや草。誤字の指摘、ありがとうございます。あと自信を持って下さい。何回も謝る様な事貴方様言ってませんよ( 'ч' ) (2022年7月28日 10時) (レス) id: 9c26b5fd8b (このIDを非表示/違反報告)
冬斗(プロフ) - なってしまいます。うぅ…文章が長くなってしまいすいません…失礼しました… (2022年7月28日 9時) (レス) id: 2506e918c7 (このIDを非表示/違反報告)
冬斗(プロフ) - すいません…自分なんかが初コメでおこがましいと思いますが、第四十七話の「再会」の最後の方で『あの時は彼が』の後が『鮭の飲み過ぎ』になっていました。恐らく『酒の飲み過ぎ』だと思います。このままでは夢主の中で、条野さんがしゃけを飲んで酔う人に (2022年7月28日 9時) (レス) @page49 id: 2506e918c7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:肉塊 | 作成日時:2021年9月24日 3時