第四十六話「武装探偵社」 ページ48
「オラァ!!警察を呼んでみろ!!先ずはこの男から殺してやる!!」
「うわぁ怖ぁーい。」
なんだその反応。
銀行の広い待合場で私を含めざっと六十名、貴重品を全て没収され手足を縛られ常に強盗の構成員に銃口を向けられる。今までの私ならば勘弁してよ、と思っていただろうが。なんかもう慣れたわ。
「手前!舐めてんのか!?」
「舐めてないですよぉ、本当に恐ろしいと思って〜。」
いや舐め腐ってるわその態度。丁度私の前の、何処かで見た事がある包帯を全身に巻いた砂色コートの長身の男がクネクネと動きながら構成員を挑発する。
「どうやら、死にたいらしいな?」
冷や汗をかきながら今にも弾を正面の彼に食らわせようとする光景を周りの一般人質は恐怖し騒ぎ立てる。
そこで、別の方角から「バァン!!」と大きな銃声が響く。その音に構成員含め全員が静まり返る。だがどうやらその銃声は脅しの様で、誰一人倒れ込み血を流す者は居なかった。
「おい、俺等は金を取りに来たんだ。人を殺しに来たんじゃない。オラァ!!!早く金を鞄に詰めろォ!!!」
リーダー格の男が銃口を向けた構成員に注意をし、銀行員をまたしても脅す。ならば言わせて貰う。私は金を取りに来ただけで人質になりに来た訳じゃない。と、心の中で決め顔をしながら言ったのである。言えるわけないだろ。殺しに来た訳じゃ無いらしいが普通に殺されるわ。
「……頃合か。」
「おい、喋るな。」
目の前の彼が、指を華麗に鳴らす。瞬間、銀行の玄関の硝子が勢い良く割れる音が響く。その音に前言撤回する様に玄関の方へ強盗の殆どが銃を撃つ。
「な、何だ!?何が来た!?」
放たれる弾を目にも止まらぬ速さで全て避ける『ソレ』は一人一人から丁寧に銃を奪う。白い、獣。
「ナイスタイミングだ、敦君。」
「あ、敦くん?」
聞いた事のある名前が聞こえ、不意に声を出してしまう。同じ名前かもしれないが。
「お、お前!警察かッ…!」
「違いますー。」
すぐ様目の前の彼は構成員に華麗な蹴りを入れる。彼はいつの間にか拘束を解いていたらしく、どうやら仲間を待っていたらしい。特殊な警察なのだろうか。
蹴りを入れられた構成員は衝撃で気を失ったらしく、床に転がりこんだ。
「私達は『武装探偵社』。ちょっと風変わりな探偵集団さ。
そして私は確かに自 殺願望はあるが、銃殺なんてそんな痛そうな死に方まっぴら御免だ。」
否、探偵はこんな事しない。解釈違いだ。
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肉塊(プロフ) - 冬斗さん» わーいありがとうございます〜もっと頭悪い小説にするので何卒〜 (2022年7月28日 10時) (レス) id: 9c26b5fd8b (このIDを非表示/違反報告)
冬斗(プロフ) - そう言っていただいて嬉しいです…!作品いつも楽しく読ませて貰ってます! (2022年7月28日 10時) (レス) id: 2506e918c7 (このIDを非表示/違反報告)
肉塊(プロフ) - 冬斗さん» いや草。誤字の指摘、ありがとうございます。あと自信を持って下さい。何回も謝る様な事貴方様言ってませんよ( 'ч' ) (2022年7月28日 10時) (レス) id: 9c26b5fd8b (このIDを非表示/違反報告)
冬斗(プロフ) - なってしまいます。うぅ…文章が長くなってしまいすいません…失礼しました… (2022年7月28日 9時) (レス) id: 2506e918c7 (このIDを非表示/違反報告)
冬斗(プロフ) - すいません…自分なんかが初コメでおこがましいと思いますが、第四十七話の「再会」の最後の方で『あの時は彼が』の後が『鮭の飲み過ぎ』になっていました。恐らく『酒の飲み過ぎ』だと思います。このままでは夢主の中で、条野さんがしゃけを飲んで酔う人に (2022年7月28日 9時) (レス) @page49 id: 2506e918c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:肉塊 | 作成日時:2021年9月24日 3時