あんこう鍋 ページ13
ゴトンッ
「ピッ！！」
「とれた！！」
甲高い悲鳴とアシㇼパの嬉しそうな声が聴こえてきた。
「そのネズミ、下山するにつれてだんだんとれなくなってきたな。山の上にはいっぱいいたのに」
「高いところにしかいない変なネズミなのかもしれない」
杉本の声に、ぺちゃんこになったねずみをつまんだアシㇼパが答えた。
「またネズミかぁ」
「我慢しろ、白石」
文句を垂れる白石に私が言う。
「銃声が追っ手に聴こえちまうかもしれないから鹿や鳥がいても撃たない方がいい」
「あとで『くくり罠』を見回ってこよう。木ねずみがとれてるかも」
「ねずみばっかり〜ッ」
駄々っ子だなぁ、まったく。
地面に転がる白石を見ながらそんなことを思った。
そして、少し離れた場所でまた後方を警戒している尾形に声をかける。
「おい、尾形もこっち来いよ」
すると、少し間を置いてこちらに歩み寄ってきた尾形。
「少ないけど尾形も食べろ」
そう言ってアシㇼパは尾形にねずみの足の部分を渡す。
白石のように文句を言うことなく淡々とそれを食べ始めた尾形に、アシㇼパはつぶらな瞳を向けながら言う。
「尾形ぁ『ヒンナ』は？」
「……」
「ほっときなよ」
呆れたような声で言った杉本。
尾形も頑固だよな。
言ってやればアシㇼパはとても喜ぶだろうに。
「尾形はいつになったらヒンナできるのかな？」
シパシパと瞬きを繰り返すアシㇼパが優しく、問いかけるように話す。
「好きな食べ物ならヒンナできるか？尾形の好物はなんだ？」
……尾形の好物、か。
アシㇼパの言葉にいつもよりやや暗い目をした尾形を見る。
その目を見ていると、脳裏に出てきた記憶があった。
あぁ。きっとこいつも、あの時のことを思い返しているのかな。
若しくは、もっと前の、幼き頃の記憶を。
尾形の父である花沢中将は、二○三高地の甚大な被害を中央により全てなすりつけられ、それを原因に、自刃した。
だが、これは表の話である。
つまり、この出来事には限られた者しか知らぬ、隠された裏があるのだ。
そして、私はそれを知っている。
知っている所では無い。
その裏の現場に、私も居合わせたのだから——
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プスメラウィッチ(プロフ) - 私は、尾形百之助を一票します。 (4月1日 23時) (
レス) id: b10205217f (このIDを非表示/違反報告)
おほしさま - 見守るセミさん» コメントありがとうございます！！そうなんですよ！！！！もう、みんな良いんですよ！！！！だからめちゃ迷うんですよね！！！！(ˉ ˘ ˉ; ) (3月27日 23時) (レス) id: 14120fce3f (このIDを非表示/違反報告)
見守るセミ - んぬムゥ尊い。マジで尊い。あどうもセミです。おがっちゃんもいいしすぎもっちゃんでもいいどちらを取っても幸せです。ワシはおがっちゃんも好きなんですが、すぎもっちゃんが最推しです。あぁ〜でも、月島さんも捨てがたい、、、 (3月27日 16時) (レス) @page31 id: d5e2d1caf3 (このIDを非表示/違反報告)
おほしさま - エクスタシーさん» うわぁーーーー！！！！！！ほんとだぁーーー！！！！！うわ、マジでごめんなさい。今まで全く気が付かなかった…。ご指摘下さり誠にありがとうございます！！！大感謝です！！ｕ ′̥̥̥ ⌑ ‵̥̥̥ ｕ (3月26日 20時) (レス) id: 14120fce3f (このIDを非表示/違反報告)
エクスタシー - 杉本× 杉元○ (3月25日 22時) (レス) @page31 id: 9a0b80f385 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おほしさま | 作成日時：2024年3月7日 2時
