お行儀 ページ9
「あの小熊のオリ……いつからあのままなんだ？」
杉本が弱々しく呟いた。
その後ろでは牛山が冷や汗をかいている。
オリからは熊が排泄した糞尿が下に落ちており、ろくに掃除もされていないようだった。
「ちょっと小熊が大きくなるのが早くてな。大きいオリを作ってうつすとこだった。気にしないでくれ」
アイヌの男がなんでもないように言う。
その言動に、私はそいつを見つめかえし、考えていた。
神を重んじるアイヌ民族が森の最高位のカムイであるキムンカムイをあんなふうに扱うはずがない。
それに、小熊の成長速度が早いことなどアイヌならば知っていて当然だ。
だいたいアイヌは小熊のオリを大きいものに変えたりはしない。
これは完全に成長しきる前に神の国へ送り返す儀式、イオマンテを行うからだ。
つまり、あんな大きさになるまで待つことなどありえない。
私は男に向ける視線を鋭く研ぐ。
そして、頭の中で自然と言葉を紡いでいた。
この男———アイヌじゃない。
「ッ、」
急に外套の裾を引かれた。
私は直ぐにそれが誰なのかを確かめるために横を向くが、そこには誰も見当たらない。
ということは……。
私は少し視線を下ろす。
「……アシㇼパ」
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123 - コメント失礼します！気になる方がいるかもしれないので、一応言っておきます。杉"本"ではなく杉"元"だと思います！ (3月8日 2時) (
レス) @page25 id: b93e4a83e3 (このIDを非表示/違反報告)
おほしさま - プスメラウィッチさん» ありがとうございます！続き更新しました！！毎日2.3話ずつを目安に書き進めていこうと思っています！もしかしたら一日空いてしまったりするかもしれませんが、できる限り毎日更新していこうと思いますので、覗きに来てくれると嬉しいです(*^^*) (2月16日 0時) (レス) id: 4b9eb9562c (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ(プロフ) - 続き楽しみに待ってます。 (2月15日 21時) (レス) id: b10205217f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おほしさま | 作成日時：2024年2月15日 0時
