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「この村にもアシㇼパさんの親戚がいるの？婆ちゃんの十五番目の妹とか？うふふッ」
「フチの十五番目の妹は釧路にいる。この辺に親戚はいない。初めて来た」
いるのかよ、十五番目も。
杉本は冗談で言ったようだったので、アシㇼパの言葉に少し驚いている。
「やあ…こんにちは。あんたら何の用だい？」
一人のアイヌの男が出てきて言った。
髭を生やし、アシㇼパと同じように鉢巻をつけている。
「旅をしていて寄っただけだ。今晩の寝床と米があったらわけてほしい。もちろんタダでとは言わん」
「そうだったのかい」
牛山が男の問いに答えた。
「あんたも日本語うまいね」
杉本が男に言う。
確かに上手い。
「俺は若い頃和人相手に荷揚げの仕事をしていて覚えた。山奥で砂金掘りやってる和人たちへ物を届けるんだ。舟に米が塩とかいっぱい積んで、川の上流へ運びあげてね」
「あ〜はいはい……俺も砂金掘りやってたから知ってる」
私は杉本の言葉に聞き返す。
「杉本、砂金掘りなんてやってたのか？」
「まぁね。色々あったのよ」
「へぇ……」
ニコニコとしながら話す杉本。
砂金掘りか。
まだ北海道でもとれるんだな。
「おい何だあれ」
牛山が離れた場所にある木の柵を指さした。
確かあれって、イオマンテをするまでの小熊のオリだよな？
その光景に何となく違和感を覚えた私は目を凝らしてそれを見る。
「ん？ああ。あれは小熊のオリ………え？」
牛山に答えていた杉本も、それを見て言葉を止めてしまった。
そこには小熊なんて大きさではなくなった、いや、もはや何かさえも分からないほどにギュウギュウに詰められたヒグマの姿があったのだった。
ギシギシと音を立てるそれは、普通に見るヒグマより、よほど怪物らしく見えた。
その光景に、頭からすうっと熱が下がっていく感覚がする。
ああ、なるほど。
私はアイヌの男を見つめる。
こいつは——
その瞳は、自分自身でも自覚できるほどに冷ややかなものだった。
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123 - コメント失礼します！気になる方がいるかもしれないので、一応言っておきます。杉"本"ではなく杉"元"だと思います！ (3月8日 2時) (
レス) @page25 id: b93e4a83e3 (このIDを非表示/違反報告)
おほしさま - プスメラウィッチさん» ありがとうございます！続き更新しました！！毎日2.3話ずつを目安に書き進めていこうと思っています！もしかしたら一日空いてしまったりするかもしれませんが、できる限り毎日更新していこうと思いますので、覗きに来てくれると嬉しいです(*^^*) (2月16日 0時) (レス) id: 4b9eb9562c (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ(プロフ) - 続き楽しみに待ってます。 (2月15日 21時) (レス) id: b10205217f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おほしさま | 作成日時：2024年2月15日 0時
