見張り ページ45
「なぁ、尾形」
「なんだ」
ぶっきらぼうながらも返事を返してくれた尾形。
「なんか最近私たちが組まされること多くないか？」
「知るか。どうでもいい」
「そうですかい」
つまんない奴だな。
私たちは今、二人で木の上に潜んでいる。
「にしても、よくあれで入れたな……」
尾形が双眼鏡である建物の窓を覗きながら呟いた。
「ん？なんだ、私にも見せろ」
尾形から双眼鏡を取り上げ、同じように窓を見た。
「うっわぁ」
そこには犬童の変装をした鈴川、その対面に座る淀川中佐。そして、覆面を被っただけの服装そのまんまな杉本がいた。
襟巻きのときより断然不審者だな。
「でもまあ、上手く行けばなんでもいいだろ」
あきれ声で言った私は尾形に借りた双眼鏡を差し出す。
尾形はそれを受け取ったあと、少し沈黙を置いて言う。
「……前に、お前のことを信用出来ないかと聞いたな」
「え？」
——それとも、私のことは信用出来ないか？——
「そういやそんなこと言ったな」
あれは確か偽アイヌの村に行く前か。
「お前はどうなんだ」
「どうとは？」
「俺の事を信用してるのかよ」
「えー……」
私は思考を巡らせる。
「……してる…んだろうか？多分」
「曖昧だな」
自分から聞いておきながら興味がなさそうに答えた尾形。
「信用してるかしてないかで言えばしている方だと思うが、とても信用している訳では無い」
その言葉に尾形は少しムスッとした表情を浮かべた。
なんだ、信用してると言って欲しかったのか？
「だいたい、勝手に人の物を持ち出す輩を信用しきる方がおかしいだろ」
首飾りを盗まれたことを思い出し、少し眉間に皺を寄せ、怒りの感情を表した。
「根に持つ奴はモテないんだろ」
「モテなくても結構」
恋愛など私には無縁な話だ。
モテたくもない。
「で？どうなんだよ、お前は」
危うく答えを聞きそびれるところだった。
「別に、信用してるわけじゃねえよ」
また双眼鏡で窓を覗き始めた尾形が言った。
自分だって曖昧な答え方してんじゃねえか。
心の中で文句を言っていると「というか」と尾形が話を付け足し始める。
「お前はこの旅を共にしている奴らのこと全員を信用しているのか？」
「んなわけねえだろ。信用してる奴もいるが、していない奴もいる。他の奴らだってそんなもんだろ」
下手したら、誰も信用してないやつもいるのかもしれないが。
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123 - コメント失礼します！気になる方がいるかもしれないので、一応言っておきます。杉"本"ではなく杉"元"だと思います！ (3月8日 2時) (
レス) @page25 id: b93e4a83e3 (このIDを非表示/違反報告)
おほしさま - プスメラウィッチさん» ありがとうございます！続き更新しました！！毎日2.3話ずつを目安に書き進めていこうと思っています！もしかしたら一日空いてしまったりするかもしれませんが、できる限り毎日更新していこうと思いますので、覗きに来てくれると嬉しいです(*^^*) (2月16日 0時) (レス) id: 4b9eb9562c (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ(プロフ) - 続き楽しみに待ってます。 (2月15日 21時) (レス) id: b10205217f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おほしさま | 作成日時：2024年2月15日 0時
