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軍都・旭川の師団通り。
「随分と栄えているな。港町でもない、北海道のど真ん中なのに」
襟巻きで顔の半分を覆った杉本が言った。
完全に不審者じゃないか……。
「旭川の発展をもたらした『上川道路』札幌と旭川を結ぶ長い長い道路脇には、おびただしい死体が埋まっている。ヒグマと狼に怯えながら寒さと飢えに苦しみ、死んでいった囚人たちだ」
土方さんの声からは、少しばかりの怒りが感じとれた。
土方はああ見えて、割とまともだ。
さすがは副長。
鬼などと言われていたそうだが、同士への思い入れは少なからずあるのだろう。
「囚人はもとより悪徒であるから懲罰として苦役させれば工事が安く上がり斃れ死んでも監獄費の節約になる」
そう言って「ぐふふふ」と笑った鈴川。
顔は犬童の顔であるため、始めて会った時の顔に慣れてしまった私にはそれがとても不気味に見えた。
「樺戸集治監に収容されたのは戊辰戦争や西南戦争で負けた国事犯と呼ばれる武士達だ」
戊辰戦争か……土方さんの知り合いもいたのだろうか。
「勝てば官軍。負ければ賊軍。戦争というのは負けてはいかんのだ」
長きに渡り戦場を駆け抜けてきた鬼の副長の言葉は、熱を帯び、より強い説得力を持っていた。
私は第七師団の巣を見下ろす。
「問題はこの広大な第七師団の敷地のどこに白石がいるのか……監獄じゃないから敷地内に入るのは容易だろうが……」
まあ、これは忍び込むとすればの話だがな。
心の中で言葉を付け足す。
「建物を一軒一軒探して回るなんてできるわけがねえ。連中のほうから白石を差し出させるんだ」
街から離れたので、襟巻きを元に戻した杉本が言った。
「白石……死んでたら許さないぞ」
コタンに戻っていく杉本達の後ろで、白石がいるだろう軍人の巣窟に向かって呟いた。
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123 - コメント失礼します！気になる方がいるかもしれないので、一応言っておきます。杉"本"ではなく杉"元"だと思います！ (3月8日 2時) (
レス) @page25 id: b93e4a83e3 (このIDを非表示/違反報告)
おほしさま - プスメラウィッチさん» ありがとうございます！続き更新しました！！毎日2.3話ずつを目安に書き進めていこうと思っています！もしかしたら一日空いてしまったりするかもしれませんが、できる限り毎日更新していこうと思いますので、覗きに来てくれると嬉しいです(*^^*) (2月16日 0時) (レス) id: 4b9eb9562c (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ(プロフ) - 続き楽しみに待ってます。 (2月15日 21時) (レス) id: b10205217f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おほしさま | 作成日時：2024年2月15日 0時
