・ ページ39
杉本は何かを考えるように視線を逸らした後、家を出て行った。
それを見送った私は立ち上がり、土方さんの前に立つ。
「土方さん、刀、永倉から受け取りました。遅くなってしまいましたが、改めて礼を言います」
その言動に、周りは少し驚いているようだ。
「あの話をした後に私に礼を言うのか」
微笑みながら言った土方さん。
恐らく白石内通の話のことだろう。
「その件と刀の件は別の話ですから」
平然と答えた私に、土方さんは小さく笑い声をあげる。
「そうか。今度は折るんじゃないぞ」
「折ったのではなく折られたんですがね」
「うっ、」
私が牛山に視線を送りながら答えると、牛山は体を縮めた。
私はそれを見て「ふっ」と笑ったあと、出口に向かって歩く。
皆目的は察しているのか、私に声をかける者はいない。
私は出口の前で立ち止まり「土方さん」と、名を呼んだ。
「私はあなたに感謝している。だが、信用している訳では無い」
帯革にさしてある刀の柄を握りながらふりむき、告げる。
「殺すべき時は殺す。私たちを裏切った暁に待つのは『死』だ。そのような計画があるのであれば……覚悟しておくことだな」
殺気に満ちた私の姿に、息を飲む者が数名いた。
……アシㇼパを含めて。
「まあ、そうならないことを願うよ」
最後にそう言って、今度こそ外へ出た。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 48人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
123 - コメント失礼します！気になる方がいるかもしれないので、一応言っておきます。杉"本"ではなく杉"元"だと思います！ (3月8日 2時) (
レス) @page25 id: b93e4a83e3 (このIDを非表示/違反報告)
おほしさま - プスメラウィッチさん» ありがとうございます！続き更新しました！！毎日2.3話ずつを目安に書き進めていこうと思っています！もしかしたら一日空いてしまったりするかもしれませんが、できる限り毎日更新していこうと思いますので、覗きに来てくれると嬉しいです(*^^*) (2月16日 0時) (レス) id: 4b9eb9562c (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ(プロフ) - 続き楽しみに待ってます。 (2月15日 21時) (レス) id: b10205217f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おほしさま | 作成日時：2024年2月15日 0時
