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杉本の言うとおり、アシㇼパはヨダレを垂らしながら船を漕いでいた。
「ふむふむ。ならばこれでどうかな」
ヒゲを整えながら言った鈴川はすっと表情を変える。
その顔に、私はドクッと自身の心臓が震えたのを感じた。
牛山や家永も息を飲み、永倉と土方さんも驚いている様子だった。
……似ている。
鈴川の顔はもう先程までの顔とは全く違っていた。
完全に犬童四郎助に成り代わっている。
最初こそ驚いたが、変装した鈴川に本物の犬童に会った時のような感覚が湧いてくることはない。
やはり内に秘めるものが違うのか……。
「…で。網走監獄の典獄に化けて、第七師団相手にどうしようってんだ？」
杉本は興味無げに問う。
「俺に考えがある。まあ……焦るなって。準備が必要だ」
そう言いながら寝そべった鈴川。
「おい」
「お？」
私はそれに近づき、耳打ちをする。
「一つ教えておいてやろうと思ってな。……犬童は薩摩の方言を悠長に使うらしい。そんなに長い期間準備に使える訳では無い。本当に平気か？」
薩摩弁は何度も聞いたが、まるで異国の言葉のようだった。
それをこの短期間で習得することなどできるのだろうか。
「ほう、薩摩弁か……。任せとけ。俺は今まで何人も騙してきた。上手く切り抜けてやるさ」
どうやら自信はあるようだ。
「ほっとけよ。眠いと機嫌が……」
杉本の声が後ろから聞こえ、ふりかえる。
すると、そこでは土方さんがアシㇼパを膝の上で寝かせていた。
「やれやれ。この子は大物だ…」
眠い時に構うといつも怒るのに。
……違いはなんだ？
私は土方さんが羨ましく思ってしまい、少し恨めしげにその光景を見つめていた。
すると、ふいに。
「…あッ！！」
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123 - コメント失礼します！気になる方がいるかもしれないので、一応言っておきます。杉"本"ではなく杉"元"だと思います！ (3月8日 2時) (
レス) @page25 id: b93e4a83e3 (このIDを非表示/違反報告)
おほしさま - プスメラウィッチさん» ありがとうございます！続き更新しました！！毎日2.3話ずつを目安に書き進めていこうと思っています！もしかしたら一日空いてしまったりするかもしれませんが、できる限り毎日更新していこうと思いますので、覗きに来てくれると嬉しいです(*^^*) (2月16日 0時) (レス) id: 4b9eb9562c (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ(プロフ) - 続き楽しみに待ってます。 (2月15日 21時) (レス) id: b10205217f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おほしさま | 作成日時：2024年2月15日 0時
