似ているもの ページ34
「ひいぃぃぃ！！！」
朝焼けの光る森で悲鳴がこだまする。
「でかい声だな……」
ドタドタという足音と共に、緑の隙間から男が見えた。
拳銃でその肩口を狙う。
バンッ
「いやぁぁあぁぁ！！！！」
すると、さらに大きな悲鳴をあげてまた駆け出して行った。
「無駄だっつーの」
その男、鈴川の後ろ姿を見送りながらつぶやき、同じ方向へ私も走り出す。
鈴川がアイヌの家に入るのが見えた。
少しの間家の外で待っていると、
「熱ッ！！」
「ぎゃッ」
「ひーッ！！」
という悲鳴が聞こえ、すぐに鈴川は家を飛び出してきた。
そして、その足を土方さんに引っ掛けられ盛大に転んだ後、上から牛山に潰されてしまう。
完全に身動きが取れなくなった鈴川に、牛山は声をかける。
「俺たちから逃げられると思ったか？」
「サルカニ合戦か！！」
確かに……。
苦笑いで鈴川の言葉に共感していると、牛山に潰されうつ伏せになっている鈴川に尾形が近づいて行った。
「鈴川聖弘よ、この三十年式歩兵銃の表尺を見ろ」
鈴川は戸惑いながらも言われた通りにそれを見る。
「二千メートルまで目盛りがあるな？二千メートル先まで弾丸が届くってことだ。二千メートル以上俺から逃げきれるか、試してみるか？」
……おっかねぇの。
二千メートル先まで弾丸が届くとしても、そこまで遠く離れた獲物を狙い通りに仕留めることなんて常人ならばできはしない。
そう。常人ならば、だ。
こいつほどの視力と狙撃の腕の持ち主なら、二千メートルもあながち間違いじゃねぇかもな。
「その前にストゥでぶん殴ってやる」
「制裁棒がデカ過ぎるッ！！」
アシㇼパが持ってきたストゥはその身長をゆうに超えていて、持つのも大変そうだった。
「あんたの…デカイな…」
「お前のも立派だぜ…」
なんかあれだからその言い方やめて欲しいんだが。
キロランケと牛山のストゥの見せ合いを見て、私は心の内でそう願ったのだった。
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123 - コメント失礼します！気になる方がいるかもしれないので、一応言っておきます。杉"本"ではなく杉"元"だと思います！ (3月8日 2時) (
レス) @page25 id: b93e4a83e3 (このIDを非表示/違反報告)
おほしさま - プスメラウィッチさん» ありがとうございます！続き更新しました！！毎日2.3話ずつを目安に書き進めていこうと思っています！もしかしたら一日空いてしまったりするかもしれませんが、できる限り毎日更新していこうと思いますので、覗きに来てくれると嬉しいです(*^^*) (2月16日 0時) (レス) id: 4b9eb9562c (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ(プロフ) - 続き楽しみに待ってます。 (2月15日 21時) (レス) id: b10205217f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おほしさま | 作成日時：2024年2月15日 0時
