預かり物 ページ31
もうひとつの悪い知らせ。
『白石が第七師団に捕まった』
永倉新八の言葉を思い出した。
「……なにしてんだよ。ドジ」
窓の外の景色を頬杖をつきながら眺め、呟いた。
聞いた話では、土方さんとキロランケで白石の奪還に言っているそうだ。
上手くいくといいが……。
土方さん達の帰りを待つため、私たちは宿の中に入り、休みを取っていた。
この部屋にいるのは私だけ。
他の奴らは別の部屋にいる。
少し寝たいと言って、一人部屋に案内して貰ったのだ。
「黒木、起きてるか？」
部屋の外から声が聞こえてきた。
この声……。
「入っていいぞ。永倉新八」
襖が開かれる。
そこに立つ老人は、やはり思っていた通りの人物だった。
「寝るんじゃなかったのか」
「そのつもりだったんだがな。なんとなく、目が冴えてしまって」
いつもならばすぐに眠れるのにな。
「それで、何の用だ？」
「土方さんから預かっていたものがある」
そう言いながら部屋に足を入れた永倉新八。
「土方さんから？」
なんだろうか？
私は物を受け取るため、永倉の近くへ寄った。
そして、永倉新八が手渡してきたもの。
それは……。
「刀……」
自身の手に置かれたそれを見て、私はいつの間にか声を漏らしていた。
「軍刀と刀では扱い方が変わってくる。何かあれば聞くといい」
その言葉を聞いた私は、刀から視線を上げ、永倉の顔を見る。
「なんだ？」
「いや…その、聞かないんだなと思って」
なぜ女が刀を握る？
なぜ私は軍人になれた？
土方さんと面識があるのは？
聞きたいことはいくらだってあるはずだ。
永倉は私の言葉に少し戸惑ったようだが、すぐにどういう意味なのか理解したように、話し出した。
「土方さんにお前の話を聞いたことがある。妙に大人びた子供にあったとな。お前の生い立ちも聞いた。なんとなく察しはつく」
「そうか……」
私はまたほぼ無意識に首飾りに触れる。
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123 - コメント失礼します！気になる方がいるかもしれないので、一応言っておきます。杉"本"ではなく杉"元"だと思います！ (3月8日 2時) (
レス) @page25 id: b93e4a83e3 (このIDを非表示/違反報告)
おほしさま - プスメラウィッチさん» ありがとうございます！続き更新しました！！毎日2.3話ずつを目安に書き進めていこうと思っています！もしかしたら一日空いてしまったりするかもしれませんが、できる限り毎日更新していこうと思いますので、覗きに来てくれると嬉しいです(*^^*) (2月16日 0時) (レス) id: 4b9eb9562c (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ(プロフ) - 続き楽しみに待ってます。 (2月15日 21時) (レス) id: b10205217f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おほしさま | 作成日時：2024年2月15日 0時
