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アシㇼパも、杉本がどんな判断を下すのか不安に駆られるられている様子だ。
「どうだかな。お前詐欺師だろう？時間稼ぎの嘘かもよ」
尾形が馬鹿にしたように少し口角を上げながら言った。
「嘘かどうか確かめる術はないんだ。話を聞いてみるくらいなら悪くないだろ」
私が返すと、杉本が鈴川に歩み寄っていく。
「嘘なら舌を引っこ抜いてやるさ。閻魔様がやるか俺がやるかのちがいだろ？」
鈴川の頭を掴んで言った杉本に、私は思わず「はぁ……」とため息を漏らした。
そして、私は杉本に近ずいていき、その頭をぶっ叩きドコッと鈍い音を響かせる。
「痛ってぇ！なんだよ！黒木！」
突然の私の行動に、皆が豆鉄砲を食らったような顔を浮かべていた。
痛みから頭を抑える杉本に、私は顔を寄せ、杉本にしか聞こえない程の声量で言う。
「お前、さっきから怖い顔したり物騒なこと言ったり！少しはアシㇼパのこと考えろ！『殺さなくていいやつは殺すな』そういう約束なんだろ！……あの子は、私たちとは違うんだから……」
「……ああ。分かってるよ」
杉本は私と同じく小さな声で返事をしたあとふりかえり、皆の顔を見て告げる。
「先を急いでるから鈴川聖弘は連れて行く。土方歳三たちと合流してからコイツの処遇を相談しよう」
なんとかアシㇼパの前で殺さずに済んだな。
だが……。
私は安心したように頬を緩めるアシㇼパを見る。
『死』とも『殺し』とも、これからは隣り合わせだ。
慣れてもらわねば後々辛いのはあの子なんだよな。
これからアシㇼパがこの場でやっていけるのか不安が横切った私の頭に、あの日の光景が浮かんだ。
行き場のない私に手を差し出したアシㇼパの父親。
あの日みた青い瞳と、アシㇼパのそれとが重なる。
……あの時の男の娘であるアシㇼパならば、きっと、平気なのではなかろうか。
アシㇼパの父の瞳は本当に綺麗だった。
その中に秘めたほの暗さも含めて。
同じ目を持つアシㇼパもまた、それを宿す時が来るのではないだろうか。
アシㇼパにはこのままでいて欲しいと思う反面、その日を待ち遠しく思うふたつの自分が心の中で、背中を合わせていた。
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123 - コメント失礼します！気になる方がいるかもしれないので、一応言っておきます。杉"本"ではなく杉"元"だと思います！ (3月8日 2時) (
レス) @page25 id: b93e4a83e3 (このIDを非表示/違反報告)
おほしさま - プスメラウィッチさん» ありがとうございます！続き更新しました！！毎日2.3話ずつを目安に書き進めていこうと思っています！もしかしたら一日空いてしまったりするかもしれませんが、できる限り毎日更新していこうと思いますので、覗きに来てくれると嬉しいです(*^^*) (2月16日 0時) (レス) id: 4b9eb9562c (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ(プロフ) - 続き楽しみに待ってます。 (2月15日 21時) (レス) id: b10205217f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おほしさま | 作成日時：2024年2月15日 0時
