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「黒木はアイヌの村にいた頃こういうの食べたこと無かったの？」
杉本が聞いてきた。
「さぁ、あるのかもしれないが、記憶にはないな。ずっと小さい頃のことだし」
「そういえば、嬢ちゃんアイヌ語も話せてたよな。アイヌ出身なのか？」
その問いに、尾形も視線だけこちらを向く。
「いや、母がアイヌでな。ずっと昔に何年かアイヌの村に滞在していたことがあったんだ」
私が牛山とそんなやり取りをしている間も、杉本はじっとこちらを見ているままだ。
「なんだよ」
「あ、いや……」
少し迷う素振りを見せた杉本。
一体なんなんだ？
「……お前、小さい頃…ていうか、今まで色々あったんだろ。傷つけたくはないから、どこまで踏み込んでいいのかと思ってな」
その言葉に少し、いやかなり驚いた。
「そんなこと気にしてたのか、お前」
「えッ！そんなこと⁈」
私以上に驚き叫ぶ杉本に、つい笑ってしまう。
「別に何聞いたって構わない。全部整理はつけてある。今更何言われたって傷つくことなんてない。……それに、わたしと同等か、それ以上の辛い過去を持つ人間なんて大勢いるだろ。特にこの争奪戦にいる人物の中には」
最後になるにつれ、言葉が重々しいものになってしまった。
これは私の悪い癖だな。
「あ、そうだ！杉本、杉本」
「ん？」
私は手招きをして、杉本に耳打ちをする。
すると、杉本も「あぁ〜〜〜！」と声をあげ、背嚢を漁った。
「アシㇼパさん、これ筋子ダレも美味しいんだけど味噌つけたら絶対合うんじゃないの？」
アシㇼパは飛びつくようにして杉本から味噌を奪い取り、団子につけて食べ始める。
「うんうん！！やっぱり杉本のオソマは何にでも合う！！スゴイオソマ！！」
思った通り、相性は抜群だったようだ。
「オソマ？」
「オソマ…」
あ……。
「ほらほら。アシㇼパさんがオソマ言うからうんこ食べてると思ってるよ」
杉本が少し呆れ気味な声色で言う。
すると、アシㇼパが味噌を女達に見せつけるように前に突き出した。
「タンペ アエ エアシカイ オソマ ネ ナ(これは食べられるオソマです)」
「うんこじゃなくて味噌なんですよ？」
味噌を受け取り、訝しげにそれを囲み見る女たちに杉本が言った。
モノアが恐る恐るといった様子で味噌をつけたら団子を食べる。
「ケラアン フミー！(まあ、おいしい！)」
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123 - コメント失礼します！気になる方がいるかもしれないので、一応言っておきます。杉"本"ではなく杉"元"だと思います！ (3月8日 2時) (
レス) @page25 id: b93e4a83e3 (このIDを非表示/違反報告)
おほしさま - プスメラウィッチさん» ありがとうございます！続き更新しました！！毎日2.3話ずつを目安に書き進めていこうと思っています！もしかしたら一日空いてしまったりするかもしれませんが、できる限り毎日更新していこうと思いますので、覗きに来てくれると嬉しいです(*^^*) (2月16日 0時) (レス) id: 4b9eb9562c (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ(プロフ) - 続き楽しみに待ってます。 (2月15日 21時) (レス) id: b10205217f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おほしさま | 作成日時：2024年2月15日 0時
