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ああ、ぶん殴ってやりたい。すぐに暴れ回りたい。
イライラする……ッ！
膝の上で拳を握り込み、必死に怒りを抑え込む。
だめだ。アシㇼパが今どういう状況にあるのか分からない。
私が暴れてアシㇼパを人質にされてしまったらどうしようもできなくなる。
あの子をこれ以上危険に晒すわけにはいかない。
「黒木、奥さんになんて言ったんだよ」
「知りたきゃそいつに聞けよ。今のアイヌ語に方言なんてないぞ」
私が眉間に皺を寄せながら言うと、当然のように偽アイヌたちは言葉に詰まる。
「黒木ッ！なにおこってんだよ……なにか奥さんの気に障ったかな？失礼があったらすまない」
「いやいや…」
杉本が謝罪をするが、こちらに謝ってもらいたい。
なぜこいつはこんなにも鈍いんだ。
「やっぱりどうも様子がおかしいぞ」
「まだ言うか尾形！！よしわかった！！さっきそこの『シントコ』の裏に落ちてるのが見えたんだが…」
そう言いながら、杉本はあるものを取り出した。
「これを使って見せてくれ。ほんとのアイヌなら使い方を知ってるはずだ」
あれは、耳長お化け……。
むかし、あの人によくやってもらったな。
肝の座っていた私は全く怖がらなくて、他の人達から感心されたものだ。
……懐かしい。
「ちなみに俺はアシㇼパさんほど上手く使えなかった」
「普段あんなに怖い声出すのに」
「え、俺が？いつ？」
自覚ねえのかよ。
「まずは牛山やってみろ！」
「え？俺？」
急に指名された牛山は戸惑いながらも耳長お化けをうけとり、何をしようかと考えている。
「あたい未亡人…戦争で夫を亡くしてひとりぼっち。でも体は正直でうずくのよ」
妙に生々しいな。
私は牛山の演技に顔を顰める。
「でもそんな時はこれがあれば満足できるの」
うっとりとした目を耳長お化けに向ける牛山。
「はあ〜〜〜かゆい所に手が届く」
「全然違うッ！！」
逆によく使い方思いついたな。
間違っていたとはいえ。
「じゃあ次！レタンノ エカシ」
名前を呼ばれ、体を跳ねさせた。
「今のやり取りで何して欲しいか分かりますよね？」
「なんなら私が通訳してやるぜ？」
微笑みを浮かべる私たちとは反対にレタンノ エカシは険しい表情を浮かべている。
まあ、知らなきゃ絶対に当たらないだろうな。こどものおもちゃってことも気づいていなさそうだし。
「早くやってくれよ爺さん」
耐えられずに急かし始めた尾形。
すると、ようやく動き始めた。
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123 - コメント失礼します！気になる方がいるかもしれないので、一応言っておきます。杉"本"ではなく杉"元"だと思います！ (3月8日 2時) (
レス) @page25 id: b93e4a83e3 (このIDを非表示/違反報告)
おほしさま - プスメラウィッチさん» ありがとうございます！続き更新しました！！毎日2.3話ずつを目安に書き進めていこうと思っています！もしかしたら一日空いてしまったりするかもしれませんが、できる限り毎日更新していこうと思いますので、覗きに来てくれると嬉しいです(*^^*) (2月16日 0時) (レス) id: 4b9eb9562c (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ(プロフ) - 続き楽しみに待ってます。 (2月15日 21時) (レス) id: b10205217f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おほしさま | 作成日時：2024年2月15日 0時
