・ ページ11
「アシㇼパの言う通り、確信が持てるまでは手を出さない。だがその代わり、気をつけろよ。如何なる時も気を抜くな」
私の真剣な顔と口調に、アシㇼパは強く頷く。
「わかった」
返事を聞き、私たちは杉本達のそばにもどる。
「俺はエクロク。俺の父であり村長のレタンノ エカシに滞在の許可をもらうといい」
その言葉を聞いた私たちは一軒のチセに向かった。
「アイヌの家を訪問するときはいくつか作法があるんだ。俺は今まで何度かやってるからよく見ておけ。騒ぎを起こしたくなければ行儀よくしろよ。特に尾形」
名指しかよ。
「ハ エエエ…まず家の外で咳払いをする。家の人にすみませ〜んなんて声はかけてはいけない」
牛山と尾形に説明したあと、杉本は「ンンンン…」と力強く咳払いをする。
すると、家の中から若い男が顔を出した。
……こいつもか。
先程エクロクと名乗っていた男も今の男も、アイヌの特徴が出る耳を髪で覆って隠している。
アイヌの耳たぶは大きく分厚い。
ちなみに言えば私の中に流れる血も半分はアイヌの血だ。
故に、私の耳たぶは和人よりは分厚くなっている。
だが純血ではないため、そこまで目立つ程でもない。
まあ、そんなことはどうでもいいか。
それより、この若い男も偽物のアイヌである可能性がある。
もっと言えばこの村にいるやつら全員がアイヌではないかもしれないのだ。
家の中に入っても用心しなければ。
若い男は家の中へ戻っていく。
「？引っ込んじまったぞ」
牛山が言うと、杉本が今度は声を潜めながら説明をする。
「家の若い者が外に来た客を無言で確認して主人に報告するんだ。主人が入れるのを許可すれば、これから家の中の掃除が始まる」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 48人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
123 - コメント失礼します！気になる方がいるかもしれないので、一応言っておきます。杉"本"ではなく杉"元"だと思います！ (3月8日 2時) (
レス) @page25 id: b93e4a83e3 (このIDを非表示/違反報告)
おほしさま - プスメラウィッチさん» ありがとうございます！続き更新しました！！毎日2.3話ずつを目安に書き進めていこうと思っています！もしかしたら一日空いてしまったりするかもしれませんが、できる限り毎日更新していこうと思いますので、覗きに来てくれると嬉しいです(*^^*) (2月16日 0時) (レス) id: 4b9eb9562c (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ(プロフ) - 続き楽しみに待ってます。 (2月15日 21時) (レス) id: b10205217f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おほしさま | 作成日時：2024年2月15日 0時
