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「ヤマシギ、三羽も取っちまったけど……脳ミソ食わされるのかなぁ、やっぱり」
寝床に戻る道中、これからの食事の席で起こりうるであろう事柄にため息をつく私。
「食いたくねえなら断ればいいだろ」
「そりゃそうなんだが、アシㇼパには敵わんからな」
私がアシㇼパの顔を思い浮かべ、頬を緩めると、尾形が「……おい」と声をかけてきた。
その声が纏う空気が、なんだか少し重く感じられ、私は何も言わず、視線だけを尾形へむける。
「お前、確か母親がアイヌだったんだよな」
「ッ……だったらなんだ」
どいつもこいつも、いきなり身内の話を持ちかけてきやがる。
いつかの軍での呼び出しを思い出した。
「母親にアイヌ語を教わったんだったか。お前は——愛されていたんだろうな」
そういった尾形の瞳が、いつにも増して暗く澱んで見える。
ああ、そうか。
こいつはまだ知らないんだったな。
「……いや、違う」
尾形は睨むような目をしながら、私の話を聞く。
「私がずっと母だと思っていた人物は母じゃなかった。私にアイヌ語を教えたのは母が生まれたアイヌの村の住人だ。つい最近思い出した」
尾形の視線のキツさが少しづつ緩んでいくのを感じた。
「アイヌ語を教えたのは母だと思い込んでいた。あの瞬間だけは私を愛しく思ってくれていたんじゃないかと、僅かな希望を持っていたんだ」
そうだ。
私は『愛されていた』と、そう思い込みたかったんだ。
「けれど、その希望は砕け散った。私はただの道具として生まれてきた。……私は誰からも愛されてはいなかった。私は愛情のない親が交わって出来た、何かが欠けた人間だよ」
尾形は何も言わない。
右手に先程とったヤマシギを抱えながら、ただただ歩みを進めている。
けれど、尾形のから放たれる雰囲気からは先程までの黒さは感じられず、逆に少しばかりの明るさを混じえていた。
そして、私からは見えないその顔には、満面の笑みが貼り付けられていた。
さらにその口から放たれた一言。
「お前は俺と同じだ」
それが私の鼓膜を揺らすことはなく、朝の森にふく清々しい風に乗り、吹き去っていった。
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おほしさま - ぴーなっつさん» わぁ〜！ありがとうございます！！！私も自分の書く夢主ちゃん好きなので、そう言って貰えるととっても嬉しいです！！*.(*´͈ ˘ `͈*).* 尾形オチ！なるほどです！参考にさせて頂きますね！ありがとうございます！！ (2月15日 0時) (
レス) id: 4b9eb9562c (このIDを非表示/違反報告)
ぴーなっつ - 夢主さんの性格がめっちゃ好みで最高です！このまま尾形落ちが個人的には最高です、、 (2月14日 22時) (レス) @page50 id: e98b8983e0 (このIDを非表示/違反報告)
おほしさま - るるるさん» いえいえ、気遣ってくださりありがとうございます^^ (2月14日 19時) (レス) id: 4b9eb9562c (このIDを非表示/違反報告)
おほしさま - そしてオチへの意見ですが、私はまったく気にしません！むしろ意見をいただけて嬉しく思います^^でも、他の方の作者さんがどう考えるかは分からないので、なるべく控えるようにした方がいいかもしれませんね！注意してくださった方、ありがとうございますm(_ _)m (2月14日 19時) (レス) id: 4b9eb9562c (このIDを非表示/違反報告)
おほしさま - コメント急に増えてて驚きですΣ( ˙꒳˙ )尾形、鯉登、月島オチですね！！わ〜迷っちゃうなぁ(*´ω｀*) (2月14日 19時) (レス) id: 4b9eb9562c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おほしさま | 作成日時：2024年1月22日 2時
