記憶の正体 ページ5
「うん、もう完全に治ってる」
私の前に座るアシㇼパが言った。
「ありがとう、アシㇼパ」
夕張へ向かう道中、アシㇼパに傷を診てもらうため杉本たちとは離れた。
どうやらもう傷は完治したようなので、これからは薬の時間もなくなる。
これがアシㇼパと怪しまれずにふたりきりになれる、最後の機会かもしれない。
服を整えた私は、改めてアシㇼパと向き合う。
「……アシㇼパ」
「ん？どうした？」
こちらに向けられるのは、いつもと同じ純粋無垢な綺麗な青色の瞳。
「これから尋ねること、答えたくなければ答えなくていい」
急な私の言動に、疑問は数々出てくるようだが、アシㇼパはしっかり私の話を聞こうとしてくれている。
「アシㇼパ、お前母親は？」
息を飲む音が聞こえた気がした。
当たり前だ。
いきなりこんな質問をされる側は訳が分からないだろう。
だが、私にも聞かなければならない理由がある。
「私の母も、黒木の母と同じだ。私を産んですぐに病気で死んだ」
やっぱり、亡くなっていたのか…。
「父親の見た目に大きな特徴はあるか？」
「アチャは私と同じ青い目をしていた。あと、顔に杉本みたいな大きな傷があった」
「父親から、母親について聞いていることはあるか？」
アシㇼパが膝の上で手のひらを握りこんだ。
「母の話は、よく聞いていた。私によく似ていたそうだ。明るくて、晴れの日みたいな人だったと、アチャは言っていた」
表情に影が刺したアシㇼパの頭に、ポンと手を乗せる。
「ごめんな、急に踏み込んだことを聞いてしまって。答えてくれてありがとう」
アシㇼパにとって、その記憶が辛いものなのか、幸せなものなのか。
私には分からない。
でも、アシㇼパを悲しませたのは間違いなかった。
「構わない。でもどうしてそんなこと知りたかったんだ？」
当たり前の疑問だ。
しかし……
「ごめん。それはまだ言えないんだ。けれど、近いうちに必ず話す。アシㇼパにも、杉本と白石にも。だから、それまで待っていてはくれないか？」
私はアシㇼパに言う。
今出来る最大限の優しい笑みを浮かべて。
「……わかった。約束だぞ！」
そういったアシㇼパは、笑顔の花を咲かせる。
その表情に、少し心がほぐれた。
「あぁ。本当にありがとう。アシㇼパ」
私は精一杯の感謝の気持ちを声に乗せた。
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おほしさま - ぴーなっつさん» わぁ〜！ありがとうございます！！！私も自分の書く夢主ちゃん好きなので、そう言って貰えるととっても嬉しいです！！*.(*´͈ ˘ `͈*).* 尾形オチ！なるほどです！参考にさせて頂きますね！ありがとうございます！！ (2月15日 0時) (
レス) id: 4b9eb9562c (このIDを非表示/違反報告)
ぴーなっつ - 夢主さんの性格がめっちゃ好みで最高です！このまま尾形落ちが個人的には最高です、、 (2月14日 22時) (レス) @page50 id: e98b8983e0 (このIDを非表示/違反報告)
おほしさま - るるるさん» いえいえ、気遣ってくださりありがとうございます^^ (2月14日 19時) (レス) id: 4b9eb9562c (このIDを非表示/違反報告)
おほしさま - そしてオチへの意見ですが、私はまったく気にしません！むしろ意見をいただけて嬉しく思います^^でも、他の方の作者さんがどう考えるかは分からないので、なるべく控えるようにした方がいいかもしれませんね！注意してくださった方、ありがとうございますm(_ _)m (2月14日 19時) (レス) id: 4b9eb9562c (このIDを非表示/違反報告)
おほしさま - コメント急に増えてて驚きですΣ( ˙꒳˙ )尾形、鯉登、月島オチですね！！わ〜迷っちゃうなぁ(*´ω｀*) (2月14日 19時) (レス) id: 4b9eb9562c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おほしさま | 作成日時：2024年1月22日 2時
