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「フゴッ」
もうおねむのアシㇼパが、いびきをかいている。
「キロランケは奥さん心配じゃねえのか？そろそろ畑耕すのに馬が必要な時期だろ？」
杉本の言葉にキロランケは少し寂しげな表情を浮かべた。
「あの村にはあいつの親兄弟がたくさんいるし、働き者で強い女だから子供達も任せられる」
その言葉から感じられるものに、穢れは少しも混じっていなかった。
私はこの男を完全に信用した訳では無い。
けれど、油断することが多くなっているのも事実だ。
あぁ、考えるのは好きでは無いのに。
「…で、何だよその顔」
白石が杉本の顔を見て言った。
その顔は、なにかが塗りたくられたようで、テカリや水気が多く、その上からは布が巻かれていた。
「イタドリの若葉とかヨモギとか…傷に効く薬草だそうだ。熊の油もアシㇼパさんに毎日塗られる。俺は傷跡なんてどうだっていいんだけど」
日高で赤毛にやられた傷。
その治療をアシㇼパは毎日行っていた。
どんなに眠くともアシㇼパは夜になると必ず杉本の前に立った。
私は銃創の治療の日々を思い出す。
「心配なんだよ。お前のことが。私の傷でさえあんなに熱心に治療してくれたんだから」
「『さえ』って…黒木は女の子なんだからさ。一応」
「一言余計だぞ、杉本」
眉間に皺を寄せ、苦笑いをする私。
「傷が増える前の顔が気に入ってたのかな？」
からかうようにキロランケが横目で、眠りにつくアシㇼパを見ながら言った。
「確かにもともとモテそうな顔ではあるよな。さすがに結婚はしてないんだろ？地元に『いい人』くらいいるんじゃねぇのか？」
白石の言葉を、杉本は否定も肯定もしない。
ただ真剣な眼差しで、どこかを見つめていた。
「あれ？否定しないね？ひょっとして金塊が欲しいのもその女が関係してんのかい？」
白石自信に悪気は無いのだろう。
けれど……
「シライシ、もういいだろその話は」
煙草をふかすキロランケが言う。
しかし、白石は簡単に引き下がろうとはしなかった。
「でもよ…」
「シライシ」
私は白石に鋭い視線を向けた。
「お前は軍人を知らなすぎる」
戦場に出れば、ただでは戻れない。
大切なものを失い、今もなお心に穴が空いた状態のままの者も少なくは無い。
杉本があの戦争の惨禍をどんな風に生きたのか、私は知らない。
だが、簡単に踏み入っていい問題ではないことは確かだろう。
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おほしさま - ぴーなっつさん» わぁ〜！ありがとうございます！！！私も自分の書く夢主ちゃん好きなので、そう言って貰えるととっても嬉しいです！！*.(*´͈ ˘ `͈*).* 尾形オチ！なるほどです！参考にさせて頂きますね！ありがとうございます！！ (2月15日 0時) (
レス) id: 4b9eb9562c (このIDを非表示/違反報告)
ぴーなっつ - 夢主さんの性格がめっちゃ好みで最高です！このまま尾形落ちが個人的には最高です、、 (2月14日 22時) (レス) @page50 id: e98b8983e0 (このIDを非表示/違反報告)
おほしさま - るるるさん» いえいえ、気遣ってくださりありがとうございます^^ (2月14日 19時) (レス) id: 4b9eb9562c (このIDを非表示/違反報告)
おほしさま - そしてオチへの意見ですが、私はまったく気にしません！むしろ意見をいただけて嬉しく思います^^でも、他の方の作者さんがどう考えるかは分からないので、なるべく控えるようにした方がいいかもしれませんね！注意してくださった方、ありがとうございますm(_ _)m (2月14日 19時) (レス) id: 4b9eb9562c (このIDを非表示/違反報告)
おほしさま - コメント急に増えてて驚きですΣ( ˙꒳˙ )尾形、鯉登、月島オチですね！！わ〜迷っちゃうなぁ(*´ω｀*) (2月14日 19時) (レス) id: 4b9eb9562c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おほしさま | 作成日時：2024年1月22日 2時
