誰の行方ゴールデンカムイ夢小説弍 (ページ50)

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「素敵なニシパたちがいらっしゃいますね」

こちらに微笑みかけたその顔は、美しいがやはりどこか嘘くさい。

「シライシヨシタケです！独身で、彼女はいません！」

早速白石がインカラマッに迫る。

見境ねぇな、この男。

いや、見境はあるか。

実際、私は出会ってから一度も白石に口説かれたことがない。

口説かれたくもないがな。

「アラ…頭から血が出てますよ？」
「釘のついた油樽を被せられたんです！」
「はッ」

白石の受け答えにバカにするような、乾いた笑い声を漏らした。

横から「まあまあ」とキロランケの宥める声が聞こえたが、気にとめなかった。

「私、傷のある男性にとても弱いんです。そちらの兵隊さんもとても男前ですね」

インカラマッが杉本に言うと、こちらも満更でもないようで、顔を伏せて

「そりゃどうも」

と軽く受け流していたが、軍帽から除くその頬は、確かに桃色に染まっていた。

「スギモトオハウオロオソマオマレワエ(杉本は汁物にウンコを入れて食べる)」

「んまあ！臭くないんですか？」

……アシㇼパ、嫉妬か？

「アシㇼパさん⁈今、スギモトとオハウとオソマ並べたよね⁈また俺がウンコ食うって言ったでしょ！」

「言ってない」

言い争う二人を、キロランケと私はニヤニヤしながら見守っていた。

初心で、可愛いなぁ。

「黒木！今言ってたよね⁈」

杉本がアイヌ語の分かる私に聞いてくる。
だが、私はまともに答える気は無かった。

「さぁ〜どうかなぁ〜」
「もうッ」

　私はアシㇼパの味方である。