誰の行方ゴールデンカムイ夢小説弍 (ページ49)

今日:1 hit、昨日:62 hit、合計:21,658 hit

・ページ49

「この人はフチの弟で六人いる兄弟の一番末だ。今日はこのチセに泊まらせてくれる」

六人、随分沢山いるな。

白石に怒りをぶつけたことで、私も落ち着きを取り戻したので、アシㇼパにコタンの案内をしてもらっていた。

ちなみに、白石にはきちんと謝罪をして、仲直りした。

私もやりすぎたところがあったからなぁ。

白石の頭につたう赤い液体を見ながらそんなことを考えた。

「アラキクニソモクラムロクウタラヘムトワニマノアラキシリ！(思いがけない人達が最近は来るねえ！)」

アシㇼパが杉本と白石にも伝わるよう、おじいちゃんの言葉を訳して伝えてくれる。

「『この間も不思議な女がこの村に現れ居ついている。過去や未来が見えるというその女のせいで、村のみんながおかしくなってる』」

過去や未来を見る、ね。胡散臭いな。

　……けれど、本当に見れるのだとしたら。

「『ちょうど来た』」

おじいちゃんの視線を辿ると、そこには一人の女がいた。

赤いアイヌの服を身にまとい、首元にはキツネの毛皮を巻いている。切れ長な目、女にしては高めの背丈も相まって、独特の美しさを醸し出している。

「『インカラマッという名の女だ』」