誰の行方ゴールデンカムイ夢小説弍 (ページ47)

今日:56 hit、昨日:8 hit、合計:21,651 hit

・ページ47

札幌から南へ約六十キロ。勇払にあるコタン。

私たちはここで一時の休息を頂くことにした。

「キツネの皮は一枚一円くらいで売れる。カワウソも同じくらいで、ヒグマだと今年は五円くらい。木鼠(エゾリス)はもっと安くて二十銭くらい」

杉本とアシㇼパが罠にかかっていたキツネをとってきた。

私の目の前には一匹の赤毛のキツネが、アシㇼパの手にはリスがいた。

息は、もうしていないが、まだ温もりの残る、硬直の始まっていない体からは先程までその心臓は元気に動いていたのだということがわかった。

私たちが生きるためには必要なこと。
分かってはいても、やはり動物の死体は苦手だ。

「キツネ一匹で酒が六升ってところかぁ」

　……酒代のためじゃねぇっつの。

杉本とキロランケも呆れた視線を白石に送っていた。

「お前がキロランケの爆薬を台無しにしなきゃ、猟でカネ作って買い直す必要も無かったのに」

杉本の言葉に白石はコツンと自身の頭を叩く。

「腹立つな、コイツ」

分かるぜ、杉本。まじ腹立つコイツ。

「杉本、それにな、この男は札幌で……」
「キロちゃんそれ言わないでぇ？」

ん？なんだ？

キロランケの口を白石が塞ぐ。

なんかやましい事でもあんのか？

「アシㇼパから金借りて競馬で全部スったんだぜ」
「きゃはああッ☆いっちゃったあああッ」

　……。