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「シライシの野郎、買ったばかりの爆薬を吹き飛ばしやがって。今頃、あの鉄砲店は目をつけられてるかもしれない」
鉄砲店の人はお気の毒だ。
シライシには手投げ弾は残しておけと言っておいたのに。案の定だ。
「あいつ、どこ行った？」
「ススキノだろ。あのエ ロ坊主…」
アシㇼパと杉本の冷たい言葉。
「だがそのススキノで俺は囚人の情報を掴んできたぜッ」
見計らったかのように、ごく自然に会話に入ってきたエ ロ坊主こと脱獄王の白石。
……あれ。でも白石が来た方向って、ススキノとは反対なのでは？
と、一瞬疑問が頭をよぎったが、まぁいいかと自分の中で解決する。
「網走の計画だってうまくいく保証はないんだからよう。道すがら囚人の情報が手に入ればそこへ向かってみるべきだと思うんだよな」
「ほぅ？白石にしてはまともな意見だな」
白石のくせに生意気である。
私は小馬鹿にするような笑みを浮かべ、白石をからかってみた。
「『しては』は余計だけどねッ」
プンスカという擬音がよく合う顔で言われた。
うん、安定に可愛くない。
「で？囚人はどこにいる？」
杉本が痺れを切らしたようにして訪ねた。
というか、顔と声色のせいで脅しているみたいだが。
白石はにっこりと口角を上げ、片目を閉じ、こちらを指さし、その土地の名を告げる。
「日高だ」
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作者名：おほしさま | 作成日時：2023年12月29日 2時
