誰の行方ゴールデンカムイ夢小説弍 (ページ44)

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イカッカラチロンヌプページ44

「ふぅ」

杉本の一息つく声が、やけに大きく私の耳に届いた。

一面に広がる瓦礫の中に立つ私たち。

昨晩まではそこらの建物と同じような様をして建っていた札幌世界ホテルはもはや見る影もない。

「杉本。野次馬たちから聞いたんだが……警察も消防も死傷者は見つけられなかったらしい」

聞き込みを行っていたキロランケが戻るなり告げた。

「地下室の死体も吹っ飛んだか、瓦礫で深く埋もれてしまったようだ。二人の死体があるとすればそこかもな」

「爆発の直前まで家永も牛山も俺たちと同じ２階にいたと白石が言っていた。地下に埋もれたとは思えん」

「不敗の牛山があの程度でくたばるとは思えんな。落ちてきた瓦礫くらい、簡単に跳ね飛ばせるだろうし。牛山が生きているのなら家永だって助かっている可能性はあるだろう。もともとここは家永のホテルだ。脱出する仕掛けが何かあったっておかしくは無い」

杉本の言葉に私が付け足すと、アシㇼパは懐からあるものを取り出す。

「ふたりとも、無事避難できたかもしれないな」
「そのハンペン、捨てなさいよ」

そう、昨日拾ったハンペンである。

まだ持ってたのね……。