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「知ってるか？札幌のビール工場を作った、村橋久也っていうお侍さんはな……箱館戦争で土方歳三と戦った、新政府軍の軍艦だった。土方の野郎……戦争に負けたのは悔しいが、やつの作ったビールはうまいってよ」
へにゃへにゃになりながら男が言った。
私は小声で
「ふっ、土方さんなら言いそうだ」
と独りごちた。
こぶ男から視線を貰った気がして、聞こえてしまったかなとどこか他人事のように考える。
私も少し酔ってしまったかな。
「土方歳三が？」
酒で火照った顔の杉本が聞き返すと
「もしも生きてりゃそう言うだろうなって話しよ……ガハハハ」
と誤魔化された。
「あれ？アシㇼパさん？」
「ああ？」
ぽけっとしているアシㇼパに、同じくぽけっとしている杉本が声をかけた。
「アシㇼパもビール飲んじまったのか？」
そういった私も、顔が火照っている。
「ふぬぬぬっ、みんな手伝えッ」
アシㇼパが男の額に着いたコブを取ろうとする。
「コラコラ、とれないよ……こぶとり爺さんじゃないんだから」
「アシㇼパさん、おやめなさいって！」
男は嫌がる様子はないが、杉本は酔ったアシㇼパの扱いに困り果てているようだ。
とんでもない空間が出来上がったな。
「お嬢ちゃんいい女になりな。男を選ぶ時は……
チンポだ」
男の発言により、さらにとんでもない空間が出来上がり始める。
「チンポは海で見たけどぉ、なんか……フフ」
そういや、辺見をシャチから取り戻すのに杉本が全裸になっていたな。
私は遠目からだったのでブツの大きさは分からなかったが、アシㇼパの物言いからして、これは……
「杉本、ちっちぇのか」
「男は寒いと縮むんだよ？伸びたり縮んだりするの。知ってる？アシㇼパさん。黒木も見てもないくせにそういうこと言わないでくれる？！ちっちゃくないから！」
「大きさの話じゃないぜ〜？その男のチンポが『紳士』かどうか…抱かせて見極めろって話よ」
「そのとーり！」
男の言葉に賛同するキロランケ。
だが、紳士かどうかわからん状態で体を許すのは如何なものか。
「よしッ帰るぞッ。チンポ講座終わりッ。女将が部屋で俺を待っているッ！」
「「先生ごちそうサマー」」
……ん？女将？
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作者名：おほしさま | 作成日時：2023年12月29日 2時
