誰の行方ゴールデンカムイ夢小説弍 (ページ34)

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「谷垣、フチをよろしく頼む」

アシㇼパが見送りのため外に出てきた谷垣に告げた。

谷垣の横にはアイヌ犬が座っている。

どうやらあの子は『悪夢の熊撃、二瓶鉄造』が仕込んだ猟犬らしい。

谷垣に尾形のことを聞こうと思ったが、家の様子や、谷垣が鉢巻で傷を隠しているところを見ると杉本達には秘密にしておきたいようだったので、私も気付かぬふりをすることにした。

　だいたい予想はつくしな。

「まずは札幌に寄る必要がある」

「札幌？なんでだ？」

後ろに乗っているキロランケの言葉に疑問を持った。

網走へ行くのなら札幌に寄る必要は無いはずだ。

「札幌の鉄砲店に知り合いがいて、爆薬や武器を安く買える。網走での計画、場合によっては荒っぽい作戦が必要になるかもしれん」

「鉄砲店なら小樽にもあるだろ？」

「知り合いのところならアシもつかない。用心しないとな」

随分と手馴れている。

まあ、元軍人で工兵ならこれくらい出来ても不思議では無いが……。

「なあに、札幌なんてあっという間だ」