誰の行方ゴールデンカムイ夢小説 (ページ48)

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私たちの会話を妨害するようにニシン御殿から凄まじい銃声が鳴り響いた。

機関銃？どうしてそんなものが。

少女が海岸の方へと走り出した。

「あ、ちょ、」

少女から離れることを躊躇いつつ、私は反対方向へと走り出した。

少女が見えなくなったあたりで、双眼鏡を覗き、杉本の姿を探す。

　いない、いない、いない、いない……

「いた！」

海岸を走っていく杉本と辺見の姿を捉え、その周辺を双眼鏡で見渡す。

すると、杉本達の向かっている先には打ち上げられたクジラ。
よく見てみると傍に一艘の船がある。
そしてそこには一人、坊主頭の男が立っていた。

「あれは確か、……白石由竹」

そう呟くと、そう遠くないところから、ざわめく声が聞こえてきた。第七師団の兵士たちだ。

「ちっ！」

急がなければ。

私は白石の元へと走る。

今、杉本が第七師団に追いつかれたら必ず捕えられる。
今度はそう簡単に逃げられないだろう。

鶴見中尉はこの間の杉本脱走について、私が協力したと勘づいている。

私も助けることは出来ない。
それ故に、ここで掴まってもらっては困るのだ。

もう少しで辿り着くという時、声が聞こえてきた。