誰の行方ゴールデンカムイ夢小説 (ページ28)

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「この場を生き延びる方法が一つだけある。私の下に着くことだ。私は、部下を戦争で沢山失った。人手が足りん。百名弱の人員は、北海道各地に散らばって活動しているに過ぎない」

「金塊を山分けするには、お仲間が多すぎやしないかい」

鶴見中尉はもう一度、あの不気味な笑顔を戻し、両手を持ち上げ戯けるように言う。

「金塊は軍資金だ。旭川からちょろまかした、武器弾薬では、心もとない」

鶴見中尉と杉本が睨み合う。

その空気は張り詰めており、少しでも触れてしまえば、ぷつりと簡単に切れてしまいそうな程だった。

「あんたら一体、何をする気だ？」

「アメリカ人から武器を買う。世界中から集めた最新式だ。手始めに、第七師団を乗っ取り本州への天然資源の通り道である港町を制圧。北海道を手に入れる」

誰がそんな夢物語について行くと言うのだろうか。

「戦場では英雄だったのに、国へ帰れば放浪生活。何か報われたか？失ったものの方が多くはないか？」

鶴見中尉は訴えかけるように言う。

「私はお前のような有能な兵士が欲しい。我々と共に戦ってくれ」

この男の答えは決まっているだろうに。

杉本は頬に刺さったままの串を抜き取り、言う。

「付き合ってられん」

「ロウソクボリボリしちゃおうか」