誰の行方ゴールデンカムイ夢小説 (ページ18)

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ドンッ

「A、お前調子に乗るなよ。鶴見中尉はお前なんかに言われなくてもあんな事ぐらい分かっていたんだ。お前が褒められたのはあの人が優しいからだ」

勘弁してくれ。

「はぁ。そんな事分かってる。大体、私はすぐに辞めてもらっただろ。そんなに頭を撫でて欲しいなら私が撫でてやろうか」

私は挑発するような笑みを浮かべて、目の前の男、宇佐美に言った。

部屋を出てすぐ、尾形は怪我の治療に、私は宇佐美に部屋から少し離れた場所まで連行され、壁際に追い詰められていた。

私のすぐ横には、宇佐美の右手が壁に押し当てられている。
そして目の前には、宇佐美の鬼の形相があった。

普通にしていれば綺麗な顔しているのに。勿体ないな。

「おい、何してるお前ら」

「おっ月島！」
「げっ月島軍曹」

全く反対の反応をする私と宇佐美。
その視線の先には、いつも通りの仏頂面をした月島がいた。

「いいところに来たな、月島。助けろ」

「いやだなぁ、それじゃあまるで僕が悪いことしてたみたいじゃない」

「してたろ」

「は？ちょっとお話してただけでしょ？」

「喧嘩をするな。子供じゃないんだから」

　私と宇佐美の言い合いを制止する月島。

「私はまだ二十一だ」
「僕だってまだ二十六ですよ」
「十分、大人だ」

「月島から見たらまだまだ子供だよな」
「だって月島軍曹って三十過ぎだろ、僕達と一回り違うもんね」

私と宇佐美がぼそりと呟きあう。

「黒木、敬語」

どうやら、怒りの矛先は私の方へと向かったようだ。