▼おまけ▽ ページ49
side…A
「では最後、えー……霧生Aさん！」
『は、はいっ！』
学校指定の木製の短剣をぎゅっと握って、緊張で裏返った返事をする。……どうやら、あのでっかい岩をどれだけ傷つけられるかで評価が決まるらしい。
私は……実はちょっと焦っている
簡単に作られた玩具の短剣といえど、ちゃんとした武器__天月さんとの手合わせの時と同じものだ。幾ら玩具みたいな剣だとしても、私にとってこれは"ガラクタ"じゃない……まふくんの時同様、力を制御出来るかが怖い。
『……あの、先生』
「なんですか？」
『少し、皆を離して頂けませんか……？先生も』
「……何故です？」
『あー……ほら、傷つけたら小さい石が飛び散ると思うので』
言い訳とはいえ、傷つける前提で話す私を先生は「は？」という顔で見つめてくる。……先生だけだったけれど
「……あ、みんな！霧生さんの番だ！」
「離れてた方がいいかもー！」
私はいいクラスメイトを持ったな……
皆が離れたことを確認して(先生は無視)私は魔石へと近づく。
軽く腕を奮って、様々な方向から音を確認してみるとこの岩の大体の硬さが分かった。硬さが分かるので、どのくらいの力が必要かが分かって安心だ。
「やば、霧生さんの手元見えない」
「別次元過ぎて……」
攻撃に切れ目を付け、まだ剣が勢いづいたままで構え直す。それと同時に、皆には分からないように刃先に一瞬で魔力を纏わせた。
『よっ……と』
真っ直ぐ、水平に―――…
カｧｧｧｧｧｧｧン――――――!!!!
あ、少しズレた
『あ……すみません、壊してしまいました』
私の持っていたものは魔力を纏わせた為に崩壊した木材の塊。先生に向き直ると、口と目を開けすぎてハニワみたいになったまま制止していた。大丈夫かなあの人
『……あ、天月さん、まふくん、そらるさん、うらたん！』
ま「お、お疲れ様……派手にやったねぇ……」
天「ウソでしょ、あんな武器で……？！」
そ「霧生さんが最後でよかったな」
『あはは、ちょっとズレちゃったんですけど』
まだまだですよ、と苦笑しながらチラリと目をやると水平とはいかず、少し斜めってしまったせいで綺麗にずり落ちた真っ二つの魔石。
まぁいいか、と知らんぷりして男子の方を見ると、見慣れた後ろ姿を見つけた。
『あ、次坂田さんですよ！』
あの魔力を、見られていたことも知らず。
う「さっきのAの、黒い炎……？」
Fin.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 668人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
キツネ(プロフ) - や、ヤバい。しらす(。∀ °)で話が何も入ってこねぇ！ていうかそこで爆笑したw (2019年5月12日 23時) (
レス) id: f12a239c64 (このIDを非表示/違反報告)
ばけモノ。(プロフ) - 赤りんごさん» そう言っていただけて嬉しいです！移行したパート3の方もよろしくお願い致します！ (2018年8月27日 21時) (レス) id: edcac17eb5 (このIDを非表示/違反報告)
赤りんご(プロフ) - ばけモノ。さん» いやいや、全然大丈夫です！この小説大好きです！更新楽しみにしてます！ (2018年8月27日 21時) (レス) id: d52f074cb8 (このIDを非表示/違反報告)
ばけモノ。(プロフ) - 倖穂さん» 可愛いイラストをありがとうございました！まだ1話しかないですが移行致しましたのでそちらの方もよろしくお願いしますね！(´∀｀) (2018年8月27日 21時) (レス) id: edcac17eb5 (このIDを非表示/違反報告)
ばけモノ。(プロフ) - 赤りんごさん» 凄く嬉しいです！とても可愛いイラストをありがとうございましたぁぁ！！文字数の関係で本作には感想を書けませんでした、…すみません……。 (2018年8月27日 21時) (レス) id: edcac17eb5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ばけモノ。 x他1人 | 作成日時：2018年7月19日 23時
