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4. ページ16

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『……ふぅ。そらるさん、どうですか?』


全ての動作を終えてから、ほっと息を吐いた。その後に本人に本当に成功しているかを確認すべくそらるさんのに尋ねてみると、そらるさんはベッドに放られた体をピクリと動かす。

万が一がある為、そらるさんには魔法で眠ってもらっていた。




「ん……」


『おはようございます、そらるさん。どうですか?』


「ちょっと……だるい、かな」


『……軽減、してないですか?』



あれ?間違ったことはしてないはずなんだけどな、と焦りを感じているとその間にそらるさんは体制を起こして足を滑らせる。
そのまま、床に着いた足に体重を預けて立ち上がると、彼は眠そうな目を少しだけ見開いた。



「…………あ」




そこで気づいたみたいだ。そのままベッドに腰掛け、上靴を踏んでゆっくり立ち上がる。





「頭痛と目眩がしない、しかも、歩ける……?」



踏んでいた上靴をちゃんと履いて、保健室内をうろうろ歩いてみるそらるさん。違和感なく、普通に歩いているのを見て……私は口を開いた。




『じゃあ成功ですね!』


「ん、ありがとう」


『いいえ、よかったです!

……そらるさん。この状態で魔力は使わないでください。タダでさえ悪化してしまうんです……
それに加えて魔力を使うのは……体に凄い負担なんですよ』


「それは、大丈夫」




麻痺が持続する時間は、約8時間。

午後の部終了時刻までは確実に大丈夫だけど、
後夜祭は……無理かもしれない。
もっと時間を伸ばすことは出来たけど、その分悪化するのは絶対なので、やめた。


というより、やる勇気がなかった。


その後、自分のせいで悪化して苦しむそらるさんの姿を頭に浮かべてしまえば…………出来なかった。






私はいつもそう。

勇気が無い。





自分の紋章を、未だ生徒会の皆に伝えられていないのだってその証拠だろう。

話してもいいかも……そう思う度に、苦い思い出と雑音がそれを遮る。






ただ、知って、軽蔑されるのが怖いだけの私の弱さだ。









『じゃあ行きましょうか。取り敢えず何か食べます?』


「そうだね……俺、吐かない?」


『……ぐ、具合悪くても食べられるものにしましょう』


「ダメなんだね、そういうのは」

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設定タグ:歌い手 , 学園もの   
作品ジャンル:ファンタジー
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キツネ(プロフ) - や、ヤバい。しらす(。∀ °)で話が何も入ってこねぇ!ていうかそこで爆笑したw (2019年5月12日 23時) (レス) id: f12a239c64 (このIDを非表示/違反報告)
ばけモノ。(プロフ) - 赤りんごさん» そう言っていただけて嬉しいです!移行したパート3の方もよろしくお願い致します! (2018年8月27日 21時) (レス) id: edcac17eb5 (このIDを非表示/違反報告)
赤りんご(プロフ) - ばけモノ。さん» いやいや、全然大丈夫です!この小説大好きです!更新楽しみにしてます! (2018年8月27日 21時) (レス) id: d52f074cb8 (このIDを非表示/違反報告)
ばけモノ。(プロフ) - 倖穂さん» 可愛いイラストをありがとうございました!まだ1話しかないですが移行致しましたのでそちらの方もよろしくお願いしますね!(´∀`) (2018年8月27日 21時) (レス) id: edcac17eb5 (このIDを非表示/違反報告)
ばけモノ。(プロフ) - 赤りんごさん» 凄く嬉しいです!とても可愛いイラストをありがとうございましたぁぁ!!文字数の関係で本作には感想を書けませんでした、…すみません……。 (2018年8月27日 21時) (レス) id: edcac17eb5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ばけモノ。 x他1人 | 作成日時:2018年7月19日 23時

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