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坂田さんに引っ張られ、辿り着いた教室の前。
ここに来るのは２回目になるが、はじめてこの場所を訪れたような錯覚に陥っていた。
人の声と、音で溢れかえった空間と、空気を震わす太鼓の音。
浴衣姿の女子とじんべえを羽織った男子は、それに負けないくらいの大声で屋台に客を呼び込んでいる。
天井を感じさせない開放感と今は昼間にも関わらず、プラネタリウムのように星たちや提灯が輝いていた。
そう、これは、まるで……
『夏、祭り……？』
「うわぁ…流石やね3組！超楽しそうやん！！」
私も坂田さんも、入って数秒もしないうちにすっかりその世界観に呑まれてしまった。
『ところで坂田さん、センラさんは何の屋台の人なんですか？』
「あ、それおれも知らんねん！
ま、楽しみながら探そ？ほら行くでA！」
『わっ！』
し、知らないって……少し意外に思いながらも坂田さんに手を引かれて直ぐにそんな思考は吹っ飛んだ。
危うくこけそうになったけど、ぎゅっと私の手を包む大きな手が上手く調節してくれて、「ごめんなぁ、大丈夫？」と優しく言われてしまっては……頷くしかない。
そして私は、餌を前にした犬のようなテンションの坂田さんについていった。
「なぁなぁA！最初何食う？」
『食べるの決定ですか(笑)
そうですね…………あ、あの坂田さん』
食べることしか頭に無いのか、キョロキョロしながら辺りを見回す坂田さんの手をちょんちょんと引いて、初等部であろう男子が持っている不思議な物体を指さす。
え、あの人、あのふわふわ食べてる……？食べれるの……！？
「え、あれ？綿あめやけど……A知らんの？」
あ、あれ……結構有名なの？
『わ、わた、あめ……？食べられるんですか？』
あんなふわふわした雲みたいなもの、見たどころか聞いたことすらない。坂田さんに尋ねてみると、ぽかーんとした顔で見つめ返された。
「……マジか。食べれるで！」
『え、マジか』
「うんマジかって感じ」
『マジかー』
「マジかー」
「もしかしてA、お祭り初めて？」
『は、はい』
「え、……じゃあ、俺が"夏祭り"教えたる！」
またぐっと手を引かれ、やってきたのは甘い匂いのする大きな箱型の機械の前。幸い、今は空いていたようだ。
「綿飴一つください！」
…
…
その遥か上空。
そんなAの様子を2つの人影が見ていたことなど、私は知らない。
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キツネ(プロフ) - や、ヤバい。しらす(。∀ °)で話が何も入ってこねぇ！ていうかそこで爆笑したw (2019年5月12日 23時) (
レス) id: f12a239c64 (このIDを非表示/違反報告)
ばけモノ。(プロフ) - 赤りんごさん» そう言っていただけて嬉しいです！移行したパート3の方もよろしくお願い致します！ (2018年8月27日 21時) (レス) id: edcac17eb5 (このIDを非表示/違反報告)
赤りんご(プロフ) - ばけモノ。さん» いやいや、全然大丈夫です！この小説大好きです！更新楽しみにしてます！ (2018年8月27日 21時) (レス) id: d52f074cb8 (このIDを非表示/違反報告)
ばけモノ。(プロフ) - 倖穂さん» 可愛いイラストをありがとうございました！まだ1話しかないですが移行致しましたのでそちらの方もよろしくお願いしますね！(´∀｀) (2018年8月27日 21時) (レス) id: edcac17eb5 (このIDを非表示/違反報告)
ばけモノ。(プロフ) - 赤りんごさん» 凄く嬉しいです！とても可愛いイラストをありがとうございましたぁぁ！！文字数の関係で本作には感想を書けませんでした、…すみません……。 (2018年8月27日 21時) (レス) id: edcac17eb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ばけモノ。 x他1人 | 作成日時：2018年7月19日 23時
