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side…Mf
「お、わったぁぁ……!」
学園祭当日にして、やっと終わりを迎えた仕事。どんよりと重い空気の生徒会室の中、もはや学園祭を楽しむ余裕など僕らには無いに等しい。
「………おつかれ、まふまふ……」
半分も目が開いていないそらるさんが、殆ど力の入っていない手で突っ伏した僕の顔の横にペットボトルをそっと置いた。ああそらるさん、今は貴方が神様に見える……
「ああああひぬ……」
「クラスの準備の方、あんま行けんかったなぁー……」
「あーアリスねアリス………」
「ひぬ、ひぬ」と繰り返すこの変人は間違いなくうらたさんだ。坂田と天月くんは一応会話としては成り立っているものの、タマゴの白身のようにぐでぐでした声をお互いに向けていた。
「そいやー霧生1日目って午前の部だよな……今頃着替えているころかなぁ」
そらるさんが呟くと同時に、ペットボトルの冷たさで眠気をとろうとほっぺにくっつけてみる。……ダメだ、何にもならん
「はは、そらるさん……もしかして変なこと想像してます?」
「…なわけねぇだろ……」
「せやけど、きっと可愛い格好してるんやろうなぁ……A」
「アリスってことは……アリスの格好してたりして」
「あ、いいなぁそれ……」
坂田がムフフと頬を緩ませるが、疲労故かその顔は人様に見せられるものになってない。ちょ、さかたん……!
……それにしてもAさんの可愛い格好か。動くことが出来るならば是非見に行きたいな。
「Aさん、その格好で癒しにきてくれないかなぁ……」
はぁーっと吐いた息に、うらたさんが頷く。
「それすげぇ同感するわ……」
「……メイド喫茶みたいな〜?きっとむっちゃ可愛いんやろうなぁ……」
「んふふ……」
「あー……そんな可愛い格好で『そらるさん』なんて呼ばれたら疲れぶっ飛ぶかも……」
「…お、ええわそれ……」
傍から見れば、ただの変態だな。
ただ、僕らはそうなるくらいに疲れていたものからこの労働に免じて今だけは許して欲しい。
ふふ……Aさん、後ででいいですから頑張った僕を褒めてくださいよ……?
「はあ………おやすみなさ」
____ガララ……
……?
今まさに夢の国へ旅立とうとしていたというのに、タイミングよく控えめに開いたドアに邪魔されてしまった。
誰だよ、もう……――――
『…………お、おつかれさまです……!』
「「……んんんんんんんんん!!?」」
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キツネ(プロフ) - や、ヤバい。しらす(。∀ °)で話が何も入ってこねぇ!ていうかそこで爆笑したw (2019年5月12日 23時) (レス) id: f12a239c64 (このIDを非表示/違反報告)
ばけモノ。(プロフ) - 赤りんごさん» そう言っていただけて嬉しいです!移行したパート3の方もよろしくお願い致します! (2018年8月27日 21時) (レス) id: edcac17eb5 (このIDを非表示/違反報告)
赤りんご(プロフ) - ばけモノ。さん» いやいや、全然大丈夫です!この小説大好きです!更新楽しみにしてます! (2018年8月27日 21時) (レス) id: d52f074cb8 (このIDを非表示/違反報告)
ばけモノ。(プロフ) - 倖穂さん» 可愛いイラストをありがとうございました!まだ1話しかないですが移行致しましたのでそちらの方もよろしくお願いしますね!(´∀`) (2018年8月27日 21時) (レス) id: edcac17eb5 (このIDを非表示/違反報告)
ばけモノ。(プロフ) - 赤りんごさん» 凄く嬉しいです!とても可愛いイラストをありがとうございましたぁぁ!!文字数の関係で本作には感想を書けませんでした、…すみません……。 (2018年8月27日 21時) (レス) id: edcac17eb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ばけモノ。 x他1人 | 作成日時:2018年7月19日 23時