ステップブラザーズ

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壱馬side





何で俺がこんなとこに…






人間は信用できない


皆、敵だ。






部屋の隅っこで、月明かりに照らされていた







ｺﾝｺﾝ






臣「壱馬起きてる？」






あいつだ…






臣「壱馬〜、入るぞ」





ｶﾞﾁｬ






「ｯ…」






臣「壱馬？…あ、いた

何でそんな隅っこにいんだよ笑」







「…」






臣「飯。腹減ったら食えよ」





「…」





臣「あ、食わないなら

食わないでも良いけど、捨てるなよ」






「…！？」






よくHIROって人の家でも

ご飯を食べなかった


後から持ってきてくれたけど


全部捨てていた…



それ、バレてたのかな…






臣「壱馬？何かあったら言えよ？

隣にいるし、食べたい物あるなら

金渡してやるから、買ってきても良いぞ」








何だ、こいつ…




優しいのか、優しくないのか、わからない





口は悪いし、冷たそうに見えるけど


気にかけてくれてるのはわかった






臣「じゃあな」






「…ｺｸｯ」





登坂…広臣…





何で俺に優しくする…？？



どうせ裏切る癖に…






今まで、最初から俺を嫌う奴もいた



だけど、どこに行っても



俺に優しくして、すぐに離れていく奴ばかり



皆、裏切るんだよ…







父「お前何か生まれなきゃ良かったんだ」






あの人だって、暴力ばかり振るってくる

父親から守ってくれてた


だけど、父親が逮捕されてから

あの人も、態度が変わった






母「何であんたなんか守ったんだろ…

あのまま死んじゃえば良かったのに」




あの人まで、俺に暴力を振るってきた




このまま死ぬんだと思ってた…


だけど、あの人は俺を大雨の日に


川に捨てたんだ…


あんなに増水してる、川辺にな…






施設でも、友達にはいじめられて

先生達にも、酷い事を沢山されてきた




やってもない罪を被せられて…



女「あんたのその目が嫌いなのよ」





女「これやっておきなさい」





友「お前このベッド使うなよ」





友「お前は床で寝ておけ」




ベッドすら与えられなかった





何度も養子縁組を組まされた





自営業の店を手伝わせる為や

後から子供が産まれて捨てられたり

暴力を振られたり

着せ替え人形のように扱われて

飽きられて捨てられたり…




誰からも優しくしてもらえず

誰からも愛してもらえなかった…

今まで会ってきた奴、全員に

裏切られて、傷つけられてきたんだ

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