※ 〃３ ※ ページ3
sideーut
「シャオちゃん、まだ起きとったん？」
「鬱先生か、編集終わったん？サボってたらまたトントンに怒られるで」
「進捗6割やから何とかなるやろ」
「つまりあかんってことやんな、怒られても俺知らんからな」
「やる気出ねぇからコーヒー飲もうと思ってここ来たんだけど、道中ロボロとすれ違ったわ」
その名を聞いて、シャオちゃんの身体が一瞬固まった。すぐに身体を動かし相槌をうつが、その動向はぎこちない
「……おかしいやん…」
「シャオちゃん」
「だって、あれ、」
「シャオちゃん、！」
制止の声にどうしてと言わんばかりの表情で口を噤んだ。シャオちゃんの言いたいことは分かる、ロボロは本気でアレを『彼女』だと思い込んでいるのだ
初めて紹介された時、『彼女』は当然生身の人間であるAちゃんだった。職場で知り合ったらしい2人は、周りから見てもラブラブカップルで、茶化しや冷やかしも程々に2人を応援していた
しかし、そんな幸せは長くは続かなかった。仕事帰り、家が逆方向のロボロと分かれたあと、Aちゃんは居眠り運転をした車に轢かれ…帰らぬ人となった
勿論面識のある俺達も彼女の死を酷く悲しんだ。けれど、それがロボロを狂わせるきっかけとなってしまった
『Aちゃん、生きてたんよ、』
どこで拾ってきたかも分からない、綻びだらけの人形を愛おしそうに抱きすくめたロボロを見て、最初は質の悪い冗談だと思ったが、その頃から既におかしくなっていたんだろう
以来、『彼女』もとい人形と共に過ごすようになり、あたかもそれが本当にAちゃんであるかのように振る舞っている
正直俺達も何度も気が狂いそうだったが、それ以上にロボロは辛い思いをしている。俺達は暗黙の了解として、ロボロと人形を生前の2人のように見守ることにした
「…シャオちゃん、はよ寝た方がええよ｣
「その方がいいかもしれんわ、」
ふらふらとリビングを後にするシャオちゃんを見送り、煙草に火をつけた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 194人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜空。(プロフ) - あのー！恋物語を見たいのですが検索しても、作者ページを見ても見れなくてどうすればいいですか？！ (2021年11月21日 13時) (
レス) @page17 id: ec02066096 (このIDを非表示/違反報告)
fu-ka - osのつづき、ありますか?? (2021年9月11日 19時) (レス) id: bf9a84df86 (このIDを非表示/違反報告)
fu-ka - こっちでも感想失礼します!! rbrのSucre Doll、ほんともぉぉっ!!!ってなりました(語彙力ww) しかも、絵がちょーーーかわいい!!! 逝ったわー。。。w (2021年7月5日 23時) (レス) id: bf9a84df86 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：椿 | 作成日時：2021年6月6日 22時
