運命交響曲 31 ページ34
「倉間、は……」
どうしよう。
この場合、なんて答えたらいいのかわからない。
かと言って、あの時と同じ過ちはしたくない。
無言が続く。
耐え切れなかった。
「倉間、も……友だち、だよ」
結局私は変われない。
「……。A」
「っっ……！」
心臓が飛び出そうだった。
その低い声で、本当に耳元で囁かれて、過剰に反応してしまう。
この暗さだから、きっとバレてはいない。
そう思っていると、
今度は手を握られた。
「ぁっ……？」
微かに声が出る。
「ここどこ、」
倉間の右手の親指が、しっかりと私の唇に触れている。
「く、口」
頭が緊張で混乱している中、私の唇を柔らかいものが覆った。
目の前は真っ暗で、頭の中は真っ白でわけがわからない。
そうこうしているうちに、口内にぬるっとしたものが侵入してくる。
「ン、んっっ!?」
ようやく声らしきものが出る。
それを言葉にする事は出来なかった。
「っっ、あっ？」
やっと離れたかと思うとそれは再び攻めてくる。
そして初めて、それが倉間の舌なのだと理解した。
「ちょっ、やっ」
途切れ途切れの言葉が精一杯。
どちらのものか分からない唾液が、喉へと流れてくる。
私の手を握っていた手が、何時の間にか私の背中へと周り、
そして器用にホックを外した。
「やっっだって!!」
ーーパシン。
掌がじんじんと熱くなる。
ようやく慣れてきた目に、倉間の顔が見えてきた。
「なんで、こんな事、するの……っ。
意味、分からないよ。怒ってたりき、キスしてきたり……！」
しかも、舌まで……。
「小学校の頃と全然違う。
変わったよ、倉間……」
変わってしまった、倉間なんて。
「倉間なんて、大っっ嫌い!!!!」
.
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 188人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
佐倉 照：Re(プロフ) - りぃさん» ありがとうございます＾＾そう言っていただけることが何よりです！ (2015年12月22日 16時) (
レス) id: bb3e171dee (このIDを非表示/違反報告)
りぃ - 佐倉 照：Reさん» ヤバイです！むっちゃドキドキした！凄く良かったです！ (2015年12月13日 22時) (レス) id: 7429e82d92 (このIDを非表示/違反報告)
佐倉 照：Re(プロフ) - 赤羽 衣央南さん» あ、あはは(遠い目)。その頃はさっさとリク消化しようと必死だったからなあ笑。最近は割と長めに書いてますよ！(言い訳)コメントありがとうございます＾＾ (2015年8月10日 18時) (レス) id: bb3e171dee (このIDを非表示/違反報告)
佐倉 照：Re(プロフ) - ジュドさん» そう言って頂けて嬉しいです＾＾ありがとうございます！ (2015年8月10日 18時) (レス) id: bb3e171dee (このIDを非表示/違反報告)
赤羽 衣央南 - な、長い...天馬のとくらべたら差が.....尊敬します。 (2015年8月10日 3時) (レス) id: d454bba793 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
