夢に見た世界 (ページ8)

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お化けなんてな－いさページ8

『う"...重っ、なに？』

夜中、身体の異変を感じて目が覚める。

起き上がって確認しようとするが重すぎて起きれない。

これが世にいう金縛り？でも手足は動かせるから違うのかな。

『幽霊かわかんないけどどいてよ...』

すると本当に体が軽くなる。案外素直なもんだ。
自由になった体を起こす

『なんだったんだいった、い』

上げそうになった悲鳴を寸でで飲み込む。

得体の知れない何かが、こっちを凝視していた。

暗くてよく見えないけど、耳のようなものが生えているように見える。
猫又とか...？でもしっぽが無いし...

突然、ヌッとそいつは立ち上がった。

『思ってたよりガタイ良いね！？』

え、なんなんだ？ニュアンス的には人面犬の類なの？猫面人？

とか考えていたらふと、床の軋む音が聞こえる。
こっちに歩いてきてるんだ。

『こ、こないで！』

手を伸ばして拒絶する、が、そんなものは知らんと歩みは止まらない。
そして気づけばもうすぐ目の前にいた。

『っ...！！』

ぎゅっと目を瞑って体を強張らせた。

しかし、考えていたのとは裏腹に、目の前の怪異は伸ばした右手に猫のように頭を擦りつけるだけだった。

『へ...？食べるんじゃあないの？』

コクコクと頭を縦にふる。

『痛いことしない...？』

それにこたえるように手に耳を擦りつけてくる。

『ビックリしたぁ～～～～～』

ドッと安堵が押し寄せる。

形が違うだけで本質的には猫と同じなのか。
そう思ったら途端に可愛く思えてきた。

『君はどこからきたのかな？』

顎のあたりを撫でながらそう問いかける。
が、返事は当然帰ってこない。さっき言葉は通じていたし、意思疎通が出来ないわけではないだろう。

...なんか永遠に手に頭こすりつけ続けてるんだけど。
既視感しかない。

『吉影にそっくりだな』

「！」

すると猫は途端に目を大きくしてこっちを見てきた。
あからさまに"吉影"に反応したよな...

雰囲気似てるしもしかしたら吉影にとりついてる幽霊とか？

『まあなんでもいいか。眠くなってきたし』

布団の中に戻ろうと立ち上がったところを猫に抱き着いて止められる。

『悪いけど、私はもう寝るんだ』

猫は離す筈もなく、むしろ力が強まる一方である。

『...あー、一緒に寝る？』

＿そのはお化けと一緒に寝ると言うとんでもない体験をした。