夢に見た世界 (ページ7)

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不思議な人ページ7

『なんだ、これはっ！？』

彼女から出てきた情報量。多くても辞書一冊分くらいだろうと思っていたが、そんなレベルじゃあない！！

本が生み出せれ続けているのだ、今！尚ッ！！いったいどんな人生を歩んでくればこんなことになるんだ！？

『最初に出てきた白い本は一冊。あとは全部真っ黒の本...と、とにかく読まなくては』

＿〇月△日晴れ
私が生まれた。
名前は御星守A、私のお気に入りの一つだ。

＿◇月☆日曇り
父が死ぬところをこの目で見た。この左目は先天性の病気らしい、そう父に聞かされた。
この神透鏡は人も、物も関係なく運命が見れるみたいだ。
でも、幼い私にはよくわからなかった。

＿✕月✕日雨
父が死んだ。いっぱい泣いた。

この後も日記のように話が進んでいく。

『白い本は特に変わったことは書いていないか...』

黒い本も手に取る。

＿覚えていない。思い出したくもない。...もういらない。

その瞬間持っていた本が灰になって崩れ落ちた。他の黒い本にも手を取って読んでみるが同じようになくなってしまう。

『これ以上はマズい』

そっと、彼女を本からもとに戻した。

『しかし、黒い本には何が記録されていたんだ...？』

好奇心は猫を殺す。わかってはいる。
それでも...僕はまだ、このあまりある記録を読みたいと思ってしまっていた。

思い出すのも嫌になるような記憶とはなんだ。それもこんなに沢山。

『...面白いに決まってる』

上がったままの口角を下げることができなかった。

・

「あ、れ？」

横を歩く彼女が頭を抱えて呟いた。

『どうしたんだい？』

「いえ、何でもないです。早く用を済ませちゃいましょう」

『もう終わったよ。さっき話してたじゃあないか』

「え？ ...いや、そうでしたね。おかしなことを言ってすみません」

恥ずかしそうに頬を掻いていた。

『今日はこの辺で、さようなら。Aさん』

「はい、勿論です...あれ、私名乗りましたっけ？」

Aさんは、やはりおかしいと疑いの目を向けてくる。

『ああ、ちゃんと言っていたよ。そうだ、僕の方は名乗っていなかったね。岸辺露伴。漫画家だ』

「ああ、そうでしたね」

と、大きく頷きながら僕の方を見て

「さようなら。岸部さん」

そう言って反対の道を歩いて行った。

ぺりっ...と後頭部辺りが捲れる。

＿露伴の言う事を鵜呑みにする。

『...また、読ませてくれよ』