夢に見た世界 (ページ26)

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落とし物を届けに行こう！ページ26

＿夜、夢の中で。

「おもいだせよ」

と、小さな男の子に似た声を聴いた。

『だれ』

何もない暗闇に響く声に問いかける。

「誰でもいいけど、写真。なんか思い出したでしょ？」

『なんで写真のこと...まあいいけど。何も思い出さないよ。あの写真に私の思い出なんて無いんだから』

「なんだよ、まだだめなのか」

『？』

意味不明な言動に少し眉をひそめる。

「まあゆっくりでいいよ。心の休養ってことにしてあげるから」

と、なにか布の擦れるがこちらに近づいてくる。

頬にスルっと、撫でられる感覚がして背中にムカデが這ったのか？と思うほどの嫌悪感が私を襲った。

「また覚めたらあおうね、たのしみぃ～」

声が頭の中を反響する感覚と共に目を覚ました。

・

それから財団の人に呼びだされて軽い問診を受けた。

「症状が出始めたのは？」

『一週間ほど前ですかね』

「どういった変化が起こりますか？」

『え、えっと...視界が狭まったり、スタンドの一部が言う事を効かなくなったり、あと変な声が聞こえます』

「思い当たる原因などありますか？」

『いえ、特には』

病院で聞かれるようなことばかりだなと感じた。

ふむ...と、紙にペンを走らせている。

「自身のスタンドは、貴方で操作できますか？」

『いいえ。姿すらちゃんと見たことが無くて...』

ポリポリと頬を掻きながら答えた。

「そうですか...では、なにか話しておきたいことなどあれば」

『う～ん。あ、そうだ。じょ...空条さんはどこにいらっしゃいますか？落とし物を届けに行きたくて』

「ああ！それでしたら＿」

と、場所を教えて貰った。

「いませんでしたら、財団の誰かしらに声をかけて頂ければ、我々から渡しておきますから」

『はい！ご丁寧にありがとうございます』

ペコリと頭を下げ、部屋を出た。