夢に見た世界 (ページ19)

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話つなげスギィ！！ページ19

家に戻って、晩御飯を作りながら貰ったメモを見つめる。

『いざって時...』

なんて呟いていると戸の開く音がした。メモをポケットにしまって玄関に向かう。

『お帰り。お仕事いつもありがとう』

「それは君も同じことだよ。いつもありがとう」

『ご飯もう少しかかるから待ってて』

と、キッチンに急いで戻る。

煮込み中の味噌汁に具材を入れていく。

トントントンっとリズミカルに包丁を走らせながら吉影と談笑していた。

笑いながら話を聞いていたのにふとさっきの仗助との会話を思い出してしまう。

多分私が誰かに頼り切るしかなくなったら、吉影くらいしか相手がいないだろう。現に今だって居候させてもらっているし。

でも、それはこれからこのお荷物を一生背負わさなくてはいけないと言う意味でもあって。

それはやっぱりいやだな。

＿やめちゃえ。

声が聞こえたような気がした。

確かに本当に止めちゃった方が私の心も楽かも知れないな...

「...い、おい？大丈夫か」

肩を揺さぶられて初めて手が止まっていたことに気づく。

『ん？大丈夫だよ。明日は何にしようかなって』

また嘘ついた。

いざって時、話そう。今じゃあなくていいの。そう言い聞かせながら晩御飯の準備を進めた。

・

夜、布団の中で思考を巡らせていた。

色々考えていたが、今一番気になるのは、トラックに轢かれそうになってときにみた走馬灯が、自分の知らない記憶ばかりだったこと。

何故か私が男で住んでる場所も違うけど、名前は同じで、同じ場面が何度も流れたりしていたと思う。

来世はあんな感じだよって告知とか？それとも前世の記憶みたいな...

いや、かの哲学者は我々の知りえないことは考えても仕方がないと言っている。答えが貰えない問いは端からするべきではないのだ。

諦めて寝よう。

しかし、すっかり冴えてしまった脳は寝る気が無いみたいで、全く眠気は来ない。

『？ ...！？』

暗闇の中、瞳がこっちを見ていた。

でも、よく考えたらこんなこと前もあったな。

『キラークイーン』

名前を呼ぶとのそっとこっちに近寄って来て、私が寝ているすぐ隣にちょこんと座った。

なんだかソワソワしている。

『...布団入る？』

と、掛け布団を捲ると秒で飛び込んできた。

手を繋ぎながら目を閉じた。すると無性に眠くなり、すんなり眠りに落ちることができた。