夢に見た世界 (ページ13)

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話数稼ぎとか言わないでページ13

『持ち主探し？』

「そうだ」

と、机にゴトンと瓶を置いた。

『随分綺麗ですね。傷跡も見当たらない、模様も細かくて』

「まるで、新品同然に見えるだろ」

怪しげに目を細めて私にそう語りかける。

「この瓶はいわゆる曰く付きで、なんでも持ち主が次々死んでいくらしい」

恐ろしいことをサラッと言った。

『じゃああなたも死ぬんじゃ...』

「噂通りならそうだな」

『そうだなって、他人事みたいに...だいたい、私は鑑定士でも何でもないんです。わかりませんよ持ち主なんて』

「でも君のその目は、この世の理全て見えるんだろ？」

その目は本気だった。この本職漫画家、頭がおかしい。

私は何か諦めたようにびんの前に立って観察してみることにした。

・

時計の針はあれから一周した。

「左目は使わないのかい？」

『...』

その言葉も聞こえないくらいに私はびんにのめり込んでいた。

何一つ進展は無かった。

しかし、あることを思い出すのと同時に、足元に水紋が広がっていく。

暫く目を閉じて、水面に映る光景に集中していた。

「...？おい、大丈夫か」

『岸辺さん。私、昔にこのびん見たことあるかもって思ってたんです』

「？」

『中学の頃に都市伝説にはまって、そういう系の雑誌を買ってたんです。そしたらこのびんが出てきて』

びんの縁を撫でながら当時の思い出を呼び起こす。

『そこにはね。持ち主が"いなくなる"びんって紹介で載ってたんですよね、なんでも死体が出てこないとかで』

そうして私はさっき見たことを話し始めた。