婚約破棄 33日目。 ページ35
玲王side
「睡眠不足。加えてこの顔色じゃまともに休んでなかったのでしょう、過労に近いわ。
親御さんに連絡するから、少しの間北桜さんを頼むわね。｣
｢｢はい。｣｣
保健室の先生が扉を閉める。
保健室は静寂な部屋へと変わった。
たまたまAを抱えた凪と会い、ただ事ではないと察した。
保健室に行くまでですでに事情は聞いていて、俺たちは眠るAを見つめる。
凪「…玲王、ちょっといい。」
凪の瞳が俺を捕える。
俺は頷き、2人でAのベッドを囲むカーテンから出る。
凪「…玲王、Aが無理してたの気付いてなかったの？」
玲王「…いや、気付いてたよ。」
凪「じゃあどうして、止めなかったの。」
苦しそうに、そして俺を責めるような目で見る。
凪「ずっとずっと、Aは悩んでたよ。
理由は直接聞いた訳では無いけど、玲王関係のことだって一目瞭然だった。
玲王を見つめるAが、苦しそうだったから。」
ああやっぱり俺関係だったんだな、と心が痛む。
気付いてはいたんだ、凪より遅かったけど。
でも俺にも、
凪の言う感じだと、Aは凪にも悩みを打ち明けては無さそうだ。
1人で抱え続けた結果が
＿＿結局、こうなってしまった。
凪「…Aは玲王の、婚約者でしょ。
どうしてその婚約者が、Aを苦しめる理由になってるの。
どうして悲しませるの。
どうして無理させるの。
…誰よりも、Aを幸せにする立場でしょ。
どうしてAを、不幸にさせてるの。」
玲王「…ｯｯ」
"不幸"
俺はその言葉に何も返せない。
凪「玲王がそうなら、俺は…
Aは、俺がもらう。」
真剣そのものの瞳だった。
冗談だと思いたくても、1ミリたりとも冗談を含んでいない。
凪「俺が、Aを幸せにする。」
＿もう、やめてくれ。
凪「俺が＿＿」
＿もう、何も言うな。やめてくれ。
玲王「凪、もういい。もうやめろ。」
＿＿なにも、知らないくせに。
酷く冷たい声が出た。
凪は目を丸くして驚いたあと、不満そうに俺を見つめる。
凪「…今になって、何。」
玲王「…凪、お前が俺に言いたいことはよく分かる。けどその行動の全ては、全部Aを思ってのことだ。
俺なりの、Aを考えた結果なんだ。
…でも、それは全部凪によって
それが俺なりの心配で、Aに対しての最善策だったんだ。」
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ゆりと白鳥(プロフ) - 咲夜さん、コメントありがとうございます！どうかこの作品を最後まで見守っていただけたら嬉しいです！ (7月17日 20時) (
レス) id: 828f7fac15 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜（さくや）(プロフ) - 続き楽しみにしています。 (7月16日 20時) (レス) id: f2b60f62ba (このIDを非表示/違反報告)
ゆりと白鳥(プロフ) - 桜木清次さん、コメントありがとうございます！そしてあたたかいお言葉嬉しいです！どうかこれからもこの作品をよろしくお願い致します！ (5月18日 8時) (レス) id: 828f7fac15 (このIDを非表示/違反報告)
桜木清次 - コメント失礼します！この作品とても好きです！！続きが気になりますが、無理のないペースで頑張って下さい！ (2023年4月6日 20時) (レス) @page14 id: f838235576 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりと白鳥(プロフ) - かいさん、コメントありがとうございます!!終わった時も好きな作品だった、と言っていただけるよう頑張ります！これからもこの作品をよろしくお願い致します！ (2023年3月15日 21時) (レス) id: 828f7fac15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆりと白鳥 | 作成日時：2023年3月7日 12時
